古代東北の政治・文化・軍事の中心地として栄えた「多賀城跡」の政庁を復元する計画について、宮城県は11月26日、全ての遺構を整備する方針を示しました。

多賀城市にある「多賀城跡」では、創建から1300年となった去年、「南門」が復元され、多賀城エリアへの観光客数は増加傾向にあります。

県は、さらなる観光振興につなげようと、東北統治の政務や儀式が行われた、「政庁」についても復元する計画を進めています。

県の担当者
「政庁の歴史的・学術的価値や、その空間の特徴を来訪者が立体的に実感できるよう伝える」

26日に開かれた復元整備検討会で県は、最も荘厳だったとされる奈良時代中ごろの政庁の姿を再現しようと、建物に限らず、発掘調査で確認された塀など、全ての建築物について復元する方針を示しました。

検討会委員
「設計については、多面的な整備計画を立てることでコスト・工期が圧縮できる可能性が余地としてあると思う」
「復元の過程も見せるとなったときも考えると、整備の順序も含めて考えた方がいい」

県は、来年2月に行われる次の検討会で方針を取りまとめ、再来年以降に基本設計を策定したいとしています。

復元費用については、今年1月時点で数十億から100億円程度としていましたが、現時点で具体的な見通しは立っていないとしています。

仙台放送
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