野党党首と高市首相が一対一で論戦を交わす党首討論が初めて開かれました。
最初に討論に臨んだ立憲民主党の野田代表が日中関係悪化の責任について問うと、高市首相は「台湾有事」に関する自らの国会答弁への批判に反論しました。
立憲・野田代表:
総理のご発言というのは、事前に政府内や自民党で調整した発言ではなかったと思うんです。日中関係が悪化をしてしまったことについて、総理はどのような責任を感じているのか。
高市首相:
対話を通じて今より包括的な良い関係をしていく、そして国益を最大化する、これが私の責任だ。具体的な事例を挙げて聞かれたので、その範囲で私は誠実にお答えをしたつもりでございます。
野田氏は、政治とカネの問題でも迫りましたが、高市首相は逆に定数削減への協力を呼びかけました。
立憲・野田代表:
企業団体献金の受け取り先として政党支部がなっている。その実態把握、どうなっていますか。
高市首相:
支部の数、そして実情の調査を行っていますが、それを御党にお示しするという約束であるとは思っておりません。そんなことよりも、ぜひ野田総理、定数の削減やりましょうよ。
国民民主党の玉木代表は、いわゆる「年収の壁」の引き上げについて、「ともに関所を越えていこう」と繰り返し呼びかけ、高市首相は前向きな姿勢を示しました。
国民民主・玉木代表:
ぜひ178万円目指して関所を超えていきたいと思いますんで。
高市首相:
ともに努力をしてまいりましょう。
一方、連立離脱で野党に転じて初めての党首討論に臨んだ公明党の斉藤代表が、非核三原則を見直すのか問うと、高市首相は「明示的に見直しを指示した事実はない」と述べ、直接的な回答を避けました。
さらに、党首討論に初めて参加した参政党の神谷代表からの「スパイ防止法案」に関する質問に高市首相は、「検討を開始し、速やかに法案を策定する」と応じました。
党首討論の後、取材に応じた立憲の野田代表は、高市首相から衆院議員の定数削減への賛同を呼びかけられたことについて、「新興政党の声も聞きながらやっていくべきだ」とけん制しました。
一方、国民民主の玉木代表は、いわゆる「年収の壁」の引き上げについて「かなり認識を一致させることができた」と、手応えを語っています。