全国で今、ブランド柿の名をかたる偽広告が相次いでいます。
「福岡県で最高級の柿餅を厳選。果肉はぎゅっと詰まっています」と、最高級であることを強調するPR動画。
しかし、実際に届いたのは…。
干し柿の購入者:
中を開けてみたら全て中国産。カビ臭かったので全部捨てた。
こうした偽広告に対し、福岡県が注意を呼びかける事態となっています。
偽広告に名前が使われたのは、福岡県が開発したブランド柿「秋王」。
糖度が高く、種がほとんどないのが特徴です。
今回の偽広告では、秋王など福岡県産とうたい、干し柿が売られていました。
PR動画には「独占契約した」という生産者らしき人物も登場。
一見しただけでは、偽広告と分かりにくくなっています。
その一方で、「シチセン(7000)880円」「イエ(家)族」など表現が不自然な箇所も。
実際に、この偽広告を通じて干し柿を購入したという人から話を聞くことができました。
干し柿の購入者:
インスタグラムの広告で、福岡産「秋王」という干し柿が売っていた。口コミも「良い状態」と書いてあった。これは信用できるなと思って購入した。
男性は、10月にブランド柿「秋王」をうたう干し柿を購入。
しかし実際に届いたのは、全くの別物でした。
干し柿の購入者:
中を開けてみたら全て中国産。「秋王」ではなかった。袋を開いてにおいを嗅いだが、カビ臭かったので全部捨てた。
秋王の商標を取得している福岡県は、こうしたブランド柿の偽広告に注意を呼びかけています。
福岡県園芸振興課・井上直子さん:
購入サイトの連絡先は中国の住所となっている。これまで県が「干し柿」または「中国などで」秋王の商標利用を承諾した例はない。
県は、今回の偽広告などから実際に商品を取り寄せるなどして調査を進めていますが、これまでに本物の秋王を使用した干し柿は確認できていないということです。
同様の偽広告は、福岡県産以外のブランド柿にも及んでいます。
「ニセ福岡県産」と「ニセ長野県産」の動画を見比べると、同じ生産者らしき人物やネイルをした女性など、同じ映像が複数箇所で使われていました。
他にも奈良県産や和歌山県産の柿をうたう偽広告もあり、問題は全国的なものとなっています。
実際に奈良県産をうたう干し柿を購入した人によると、腐ったにおいがするものもあったということです。