福井県議会では26日に全員協議会が開かれ、杉本知事が「複数の職員に送ったテキストメッセージがセクハラにあたると自ら認識した」として、辞職を決意したことを直接説明しました。

午後から開かれた県議会の全員協議会の冒頭、杉本知事は辞職を決めたことへの思いを述べました。
   
杉本達治知事:
「調査を通じて通報者とそれ以外の職員に対しても、私がセクハラと思われるテキストメッセージを送っていたことを自ら認識しました。一日も早く新しい体制で県政を始動してもうらうためにも、知事の職を辞することを決意した」
 


ふくいの党の山岸みつる県議は、テキストメッセージの内容が全く分からない中では、今後の県政の混乱を招きかねないと指摘しました。
 
山岸県議:
「何をどう評価すればいいか分からない中で辞任の話になっている。これが福井県の今後しばらくの県政の混乱招くことを招いている。辞任を表明するに至った理由として、職員に送ったテキストメッセージの内容がそれほどまでにひどい内容だった、辞任に値する内容だったという考えと、内容に関わらず、混乱を引き起こしたことが県政運営に重大な停滞や影響を及ぼすという考えと、どちらが大きな意味を持ち、辞任を決断されたのか」
   
杉本知事:
「知事として、不適切で相手を傷つけるような行為をしてしまったことに対して辞任せざるを得ないと、自分で自覚をした。さらに県政の混乱をより大きくしないようにという思いもあって、このタイミングで表明した」
 


公明党の西本恵一議員は、通報者への配慮や謝罪の思いが欠けていると強く非難しました。
 
西本県議:
「内部通報した職員は相当悩んだと思います。そして、相当の覚悟をもって相談したんだと思います。知事は『ざっくばらんに楽しくというつもりで書いていた、冗談だとか、軽口だとか、そういう思いで行った』と説明していたが、通報者にすれば、私自身は大変深刻な思いで傷ついているのに、知事はこんな軽い気持ちだったのかと思っているのではないか。まさに傷口に塩を塗るような発言だった。強く謝罪すべき」
  
杉本知事:
「自分の思いを表す言葉がうまく表せなくてそうした発言をしてしまったことを含め申し訳ないと思っている。人間が未熟だったと痛感している。相手の気持ちを思いやることができていなかった。通報を下さった方、辛い思いをされている方に対して全く言い訳できない状況だと思っている。心からお詫び申し上げる」

民主・みらいの渡辺大輔県議は、このタイミングでの辞任は県政の停滞への危機感を招きかねないと指摘しました。
  
渡辺県議:
「原因が明らかになっていない矢先に知事が辞意を表明された。もやもや感につながっている。県民が福井県政にモヤモヤ感をもったまま前に進むことについては、大きな県政の停滞を生むことも考えられる。こうした県民のモヤモヤ感をそのままにしていいのか」
  
杉本知事:
「モヤモヤ感という話があったが、調査委員会の報告書がいずれ出される。客観的な評価が出されるものだと考えいている。その段階で明らかにされるものと認識している。私も真摯に向き合いたい」
 


また、自民党県議会の力野豊議員は、あくまで個人の意見として杉本知事の再起を望むと伝えました。
 
力野県議:
「もちろん被害にあわれた方は救済していただかないと困るし、いろんな意味で公然と言えない話もあるんだろうと思うが、今の県政を進めるためには、やはり今一度県民の負託を受けるチャンスはあってもいいのかなと思う」

また、他の会派の議員たちは、次のように語りました。
 
自民党県議会・田村康夫議員:
「(知事は)県政を停滞させるべきでないということで(辞職を)決断されたと思う。個人的には本当に残念でならない。期待があったから。それにしても、今まで一生懸命にやってきて結果も出している中で、ここで投げ出すのかと…」
   
越前若狭の会・細川かをり議員:
「危機管理などもしっかりとやってくれていたので頼もしく思っていた。判断が早いし、弁舌さわやかであったのでびっくりしている」

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