「健康マージャン」の全国大会に11歳の小学生6年生が参加した。初めての大会に力が出せず涙を見せる場面も。「健康マージャン」に全力を注ぐ小学生女子に密着した。
「飲まない 吸わない 賭けない」健康マージャン
長崎市の出島メッセで開催された「全日本健康マージャン交流大会」。各地の予選を勝ち抜いた9歳から95歳までの400人が参加した。
麻雀(マージャン)は、14枚の牌(パイ)を使い、役(ヤク)と呼ばれる特定の形を作って点数を競い合うゲームだ。
賭け事のイメージが強いが「飲まない、吸わない、賭けない」を合言葉に対戦するのが「健康マージャン」だ。
大勢の大人に混じり会場にやってきたのは、小学6年生の井手上光里(いでがみひかり)さん11歳だ。
長崎県代表として出場する光里さんは、試合前「一回はアガれたらいいな」と少し緊張した表情で語った。
“初マージャン”は小学3年生
光里さんが初めてマージャンを打ったのは、小学3年生の時だ。
自宅の下で祖母が営むマージャン店「雀荘」の影響だった。
「お父さんやお母さんがやっているのを見て、気になったから教えてもらった」と光里さん。気づけば、マージャンが一番の趣味になった。
父親の仁さんと週3回ほど練習し、祖母の店に割り当てられた出場枠で大会に挑戦することになった。
父との練習試合では、光里さんの勝利。「気を抜くと負けてしまう」と父の仁さんは、光里さんの上達ぶりに驚きを隠せない。
「大会に出て、マージャンは大人から子供まで一緒に楽しめる頭脳ゲームだということを広めてほしい」とエールを送った。光里さんは「最後まで諦めずに全力で頑張りたい」と誓った。
初戦で涙…試合を追うごとに成長を見せる
大会初日。光里さんは40代から70代の男性3人と対戦した。
マージャン歴57年の大ベテランもいる中、緊張した表情で初戦に臨んだ。
「ロン、1000点」「ロン、2400点」。対戦相手に続々と得点を許し、打つ手なく固まってしまう光里さん。
全国から集まった猛者たちに全く歯が立たず、1回もアガることができないまま、第1試合は最下位で終了となった。
母に駆け寄り、悔し涙を流す光里さん。母の祐香里さん、「4番やったと?よかよか仕方ない」と慰めた。
祖母の喜代子さんも「上等さ。負けて当たり前。みんな何十年もしよる人ばっかりやけん」と励ました。
家族の励ましで気持ちを切り替え…
悔しかった。でも、家族の励ましが力になった。
光里さんは、気持ちを切り替えた。
第3試合で大会初アガリを決め、続く第4試合では高得点の満貫を仕上げ、2着となった。
「1試合目のあとから守備を強くしたら成績がどんどん上がってよかった」と、手応えを感じた様子だった。
世代を超えた交流の場
最終的な成績は395位と振るわなかったが、初めての大会を最後までしっかりと打ち切った。
試合が進むごとに表情も和らぎ、生き生きとプレーしていた。その姿に大きな成長を感じさせてくれた。
対戦した東京代表の対戦者は「すばらしいですね。切るのも早いし思考も早いし、押し引きもメリハリあって」光里さんを称賛。沖縄代表も「若い世代から取り組んでるのはすごくうれしい」と評価した。
光里さんは大会を終えて「知らない人とマージャンを打つ楽しさが改めてわかった。大人になっても色々な人とずっとやりたい」と笑顔で語った。
子供から大人まで熱中する「健康マージャン」。光里さんの成長と共に、ますます注目していきたい競技だ。
(テレビ長崎)
