仙台藩祖・伊達政宗の外交戦略の核心に迫る貴重な史料が、仙台市に寄贈され一般公開されています。
公開されたのは「慶長十八年元和二年南蛮へ之御案文」です。慶長遣欧使節団が海を渡る際、伊達政宗がスペイン国王やメキシコ副王、ローマ教皇などに宛てた文書の写し10通をまとめたものです。
文書には、スペインとの定期的な貿易の提案、宣教師の派遣要望、メキシコとの貿易開始の打診といった具体的な外交戦略が記されています。伊達家家臣の子孫にあたる男性が寄贈しました。
史料からは、政宗がスペインとの協定締結を狙いながら、メキシコとの貿易も同時に模索する「二段構えの外交」を描いていたことが分かるということです。
仙台市博物館学芸員 佐々木徹さん
「スペイン国王・メキシコ副王といった海外の要人への実際の書状が残っていない中で、現存しない史料の内容を明らかにする意味でも大変重要」
これらの文書は、仙台市博物館で来年2月15日まで展示されています。