22日は若者と性の知識のかけ橋となる“街の保健室”ともいえる取り組み「ユースクリニック」を紹介します。

14日、埼玉・川口市の「イオンモール川口」で開かれたユースクリニックには、家族連れの方々が集まっていました。

若者が心や体の悩みを相談できるユースクリニック。
日本ではまだ新しい取り組みで、性や健康に関する正しい知識を学べる場です。

生理用品の練習コーナーでは、タンポン練習機というものがあり、体の横に当てて、どういう角度でどのようにタンポンを入れるかを練習できるようにしています。

埼玉医科大学助教で産婦人科医の高橋幸子さんは、ユースクリニックの普及に取り組み、年間200以上の講演を行っています。

ユースクリニックの必要性について、高橋さんは「思春期に入ると、親となかなか性についての話をするのが難しくなってくる。信頼できる大人に何でも相談できる場所という形で、ユースクリニックに取り組んでいる」と語ります。

この日、高橋さんは命の大切さを伝える講演を開きました。

講演では、おなかの中にいる赤ちゃんのエコーや高橋さん自身が、出産直前の妊婦として映像に登場しました。

埼玉医科大学助教・産婦人科医 高橋幸子さん:
お母さんも頑張っているけど、赤ちゃんも苦しいところをくぐり抜けてこの世の中に生まれてくるんですね。

映像を見たイット!の生野陽子キャスターは「自分の出産のことを思い出して、もらい泣きした」と、涙を流す様子を見せました。

出産の様子を目の当たりにした児童たちは、「赤ちゃんが生まれるところとか、よくわかりやすかった」「大人になってからも、子供を妊娠したら産めるかなって感じがした」と話していました。

若者を取り巻く現状には深刻な課題があるという高橋さんは、「家庭内での兄から妹への性暴力。増えているというのは本当に心配な状況」と話します。

低年齢化が進んでいるという“家庭内性暴力”。
ネット上に性暴力を助長させる内容が氾濫していることが背景にあるといいます。

埼玉医科大学助教・産婦人科医 高橋幸子さん:
性教育というと、ちょっと堅苦しいイメージがあったりするかもしれないが、とてもすてきな人間関係、コミュニケーションができる人に育つというポジティブな性教育の楽しい場所をつくりたい。