肉厚で大ぶりな高級寿司ネタ「ボタンエビ」。

「つきぢ神楽寿司 本店」では、すしネタで最も高い1貫3300円で提供されています。
メニューの英語表記でも「プレミアムシュリンプ」とされている、まさしく“高級食材”です。

つきぢ神楽寿司 本店・安藤勇店長:
ボタンエビは“高級食材”。一番上に部類するようなエビ。(価格は)大きさによって全然違うが、1kg2万5000円~3万円くらいのボタンエビを使っている。

そのボタンエビをめぐり、19日に茨城県がSNSに「嬉しいニュースです!なんと本県…全国初!ボタンエビの養殖に成功しました」と投稿し、話題となっています。

全国で初めて成功したというボタンエビの養殖。
一体どのようなものなのでしょうか。

県の水産試験場によると、まずは茨城県沖で生きている親のエビを漁獲。
そのエビから卵を採取し、ふ化・生育を図ったところ、2025年の夏、20匹程度が出荷サイズの目安となる10cmほどまで成長したのだといいます。

茨城県水産試験場・水谷宏太主任:
深海性のエビなので、親を取ってくることがそもそも難しいとされている。県内でも漁獲はされるが、かなり漁獲が少ない。生きたまま水揚げされるのもほとんどないようなエビ。

水産県である茨城県は、漁獲のほとんどが天然資源に依存。

そのため、海洋環境の変動などの影響を受けやすいことから環境に左右されにくい養殖の取り組みを始めたといいます。

その一環として、市場価値が高く、高単価が見込めるボタンエビが選ばれました。

その養殖に成功したことについて、天然のボタンエビを扱う東京・築地のすし店「つきぢ神楽寿司 本店」の安藤勇店長は、「手に入りやすくはなると思うが、値がそこまで安くなるとはわからない」と話します。

養殖に取り組む茨城県によると、現状はコスト面に課題あり。

この先、コスト削減に努め、2029年に提供を目指すとしています。

茨城県水産試験場・水谷宏太主任:
(養殖は)小さいエビでもちゃんと甘くプリプリした食感もあるので、味は天然に負けないんじゃないか。茨城県に来ればボタンエビが食べられるという状態に、“養殖ブランド”新しい県の特産にしていけたらと思っている。