古着などを安く手に入れるために、リサイクルショップを利用する人も多いと思います。

そうした中、アパレル業界でも「古着を新品と並べて販売する」という新たなスタイルが今、広がりを見せているようです。

自社ブランドも展開するアメリカ生まれのセレクトショップ「ロンハーマン」。

シンプルでスタイリッシュなデザインで人気ですが、14日から服の買い取りサービスがスタートしました。

ロンハーマン事業本部長・根岸由香里さん:
お客さまに「捨てない選択肢」を私たちからもご提案できたらと思ってスタートしています。別のところで購入されたものも含め査定させていただいて、買い取りをさせていただくという形です。

買い取りはロンハーマンの店舗以外で購入したものも対象です。
衣類だけではなく、バッグや靴、アクセサリーなどもOKです。

古着販売店「ラグタグ」の運営会社と協業して、千駄ヶ谷店限定で始めた買い取りサービス。

店内に設けた専用のスペースで専門のバイヤーが査定し、買い取った商品はクリーニングなどをしたあとに、古着として全国のラグタグ店舗で販売されるそうです。

ロンハーマン事業本部長・根岸由香里さん:
5年前からサステナビリティ・ビジョンを掲げて、物をお売りするだけではなく、物の先の未来を(消費者と)一緒につくっていただくような経験をしていただけるということが何よりも大事。

日本国内での服の廃棄は年間で約49万トンに上っていて、問題となっています。

サステナビリティへの意識が高まる今、様々な企業がこの古着市場に参入しているようです。

「ロンハーマン」以外にも、「無印良品」や「H&M」なども店舗での衣料品サービスを行っていて、リユースやリサイクルにつなげています。

また、「SHIPS」も10月から関西電力と連携していて、衣料品リサイクル活動を行うとアプリ内でポイントが付与され、ギフトカードなどと交換できるというサービスを始めたそうです。

各社サステナブルの意識も高まっていることから、こういった展開が生まれています。

そうした中、アパレル大手「ユニクロ」でも古着戦略をさらに強化して拡大する動きが出ています。

20年以上前から、看板商品のフリースなど、自社商品の回収・リサイクルを行っているユニクロ。

2023年からは、各店舗で回収した「ユニクロの古着」を、丁寧に検品・洗浄して低価格で販売しています。

来店客からは「すごくいい取り組みだと思います。びっくりしました。ユニクロでそういうイメージなかった」「最近どうしても家計が圧迫されているので、お手頃価格で買えるし、検査とかもされているので、古着だからすぐ悪くなるとかじゃなく、長く着られるし、エコな観点もあっていいのかな」といった声が聞かれました。

並んでいるシャツは一律500円で、フリースは790円とかなりお手頃です。
元の値段の3割から半額ほどの安さで買うことができるそうです。

ユニクロ 古着プロジェクト・榎本彩希さん:
ウールのコート、新品ですと1万円を超えるようなお値段になる。それが5000円以下で買っていただける。かなりお買い得。お求めやすくなっているかなと思う。

そんな中、歴史を感じさせる“レア物”も見つけました。

ロゴが今と違う、20年前のユニクロの商品で、こうした幅広い年代のものが展開されているのも、古着販売の魅力だそうです。

現在、古着を販売しているユニクロの店舗は国内の3店舗のみですが、そのうちの福岡市のユニクロ天神店では11月10日、古着コーナーを約1.5倍の広さに拡大したそうです。

品数を500点から1500点に増やしました。

新品の価格上昇で消費者の負担が増す中で、再び“気軽に買える価格”に挑戦しているということです。

ユニクロ 古着プロジェクト・榎本彩希さん:
循環型の社会に移行していくところに貢献していきたい。新しい洋服と一緒に同じ店内で売っているので、組み合わせて楽しんでいただくのが新しいユニクロの楽しみ方。

古着に注目した新たな市場ですが、今後、さらに成長していきそうです。

フジテレビ
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経済部
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「経済部」は、「日本や世界の経済」を、多角的にウォッチする部。「生活者の目線」を忘れずに、政府の経済政策や企業の活動、株価や為替の動きなどを継続的に定点観測し、時に深堀りすることで、日本社会の「今」を「経済の視点」から浮き彫りにしていく役割を担っている。
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財務省や総務省、経産省などの省庁や日銀・東京証券取引所のほか、金融機関、自動車をはじめとした製造業、流通・情報通信・外食など幅広い経済分野を取材している。