台湾有事を巡る高市首相の発言をきっかけに溝が深まったままの日本と中国。
中国側は20日も様々な形で日本や高市首相を名指しし、非難を繰り返しています。
日本時間午後4時ごろ、中国外務省の報道官は「(日本の指導者の誤った発言で)日中韓3カ国協力の基盤と雰囲気を損なったため、日中韓関連会議を開催する条件が当面整わない状況となっている」と発表。
予定されていたマカオでの日中韓・3カ国文化相会合が見送りになったことを明らかにしました。
そして、中国の共産党系の新聞は、日本産水産物が事実上の輸入停止になったことを紹介した上で、「“高市早苗が国民を犠牲にした”と日本の学者が発言。日本側が誤りを正さなければ必ず今より重い代償を支払うことになる」と報じました。
強い批判を続け、一歩も譲らない中国に対し日本は。
声掛けに笑顔も見せた高市首相。
茂木外相:
テレビ等を見ますと、向こうの(劉勁松)局長がポケットに手を突っ込んでいる中で、金井局長が頭を下げているようなシーン(が報じられているが)決してそんな状況で会談が行われたわけではない。
さらに茂木外相は、中国側が日本への渡航自粛要請について、日本の治安悪化を理由にしていることにも反論。
茂木外相:
じゃあこの1カ月で日本の治安が悪くなったか?夜たとえば誰でも1人で安心して外出できる。こういう国は少ないと思います。
様々なレベルで協議を行っていくとして、冷静な対応に努める日本政府。
こうした中、日中対立のあおりを受ける形となったのは民間の水産業者。
率直な思いを明かしてくれました。
丸イ佐藤海産・伊勢健代表取締役:
輸出再開に向けて動いていた矢先だったので、非常に残念な状況だなと思っています。(中国への輸出に)もう申請はしていた状態。きのう今日でも審査が通らないかなと待っていたところだった。
北海道・別海町にあるホタテ加工業者は、2023年、東京電力福島第一原発の処理水海洋放出を機に中国側が禁輸を決定するまで中国にホタテを輸出していました。
2025年になり、中国政府が輸入再開方針を発表すると、この業者は時間と費用をかけ、輸出に必要な設備などの条件を整えたのだといいます。
今回の中国側の措置は残念としながらも2年の禁輸中に販路を拡大したことをプラスに乗り切りたいと話します。
丸イ佐藤海産・伊勢健代表取締役:
アメリカだったりEUだったり、弊社の場合は全世界であったり、国内にも販路は常に確立をしている。
事態の鎮静化は、いつ訪れるのでしょうか。