今年は台風の直撃がなかったため、色鮮やかな紅葉が楽しめる当たり年となっている所もあるが、いま各地で早くも大雪が始まっている。
ひょっとしてスキーも当たり年となるのか?
酸ヶ湯はもう積雪1メートル超え
17日(月)からの週は真冬並みの寒気が流れ込み、日本屈指の豪雪地として知られる青森県の酸ヶ湯では、18日(火)に今シーズン全国で初めて積雪が1メートルを超えた。
酸ヶ湯でこの時期に1メートルを超えるのは20年ぶりで、観測史上最早だ。
また、各地で初雪・初冠雪のラッシュとなり、20日(木)は茨城・水戸市で平年より29日も早く、関東で今シーズン初の「初雪」となった。
11月から平年3倍の積雪
20日(木)正午現在の積雪は、青森・酸ヶ湯94センチ(平年比3.4倍)、北海道・夕張30センチ(平年比3.8倍)、山形・肘折17センチ(平年比2.8倍)、新潟・津南町9センチ(平年比4.5倍)など、北海道から東北にかけて平年の3倍前後となっている。

例年より早い大雪シーズンの始まりとなったが、最新の予報では向こう1カ月は寒気の影響を受けにくく、降雪量は北日本・東日本の日本海側では平年より少ない予想だ。

ただ、「クリスマス寒波」や「年末寒波」と言われるように、例年クリスマス頃から寒波が南下しやすい。
北海道の日本海側、東北の日本海側、北陸を中心に局地的な大雪に注意が必要だ。
年末から大雪注意… 原因は
主な原因は2つ、上空の寒気と高い海面水温だ。
冬の前半は上空の偏西風が日本付近で南に蛇行し寒気が南下しやすい。

一方、日本海の海面水温は、現在も15℃前後と平年より2℃くらい高く、日本海側を中心に雪雲が発達しやすい。
スキーや冬の絶景は
例年より早く11月から大雪シーズンとなり、スキーや冬の絶景を早く楽しめる所がありそうと思いきや、向こう1カ月の降雪量は少ない予想で、足踏み状態となりそうだ。

スキーや冬の絶景はクリスマス以降に期待し、あわせて寒気が入りにくい間に、大雪への備えを万全にしておきたい。
【執筆:日本気象協会・福冨里香】
