生後11カ月の長女に暴行を加え死亡させた罪に問われている母親に対する裁判の被告人質問が11月19日に福岡地裁で開かれ、母親は『持病の発作』が原因で、子どもにケガをさせた可能性があるとの認識を示した。

「故意に暴行を振るっていません」

▼弁護士「笑乃ちゃんが亡くなった責任はどう考えていますか」

▼松本被告「全部、私の責任だと思っています。自分の病気のことを分かろうとしていなかった」

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法廷で声を震わせながら訴えたのは傷害致死の罪に問われている福岡・糸田町の無職、松本亜里沙被告(29)。

起訴状によると、松本被告は2018年7月、当時、住んでいた福岡・川崎町の自宅で、生後11ヵ月の長女、笑乃ちゃんに対し、頭に強い衝撃を与える暴行を加えて死亡させた罪に問われている。

11月11日に開かれた初公判で「私は故意に笑乃ちゃんに暴行を振るっていません」と起訴内容を否認した松本被告。弁護側は、被告が『てんかん発作』を起こしたことで、笑乃ちゃんを抱いている時に、倒れたり落下させたりした可能性があると主張し、無罪を訴えている。

一方、検察は初公判で「被告は当時『てんかん発作は起きていなかった』と警察などに説明していた」と指摘した上で、笑乃ちゃんには後頭部骨折などがあり「家庭内の落下事故で生じるとは考え難いケガだった」として故意の暴行だったと主張した。

双方の主張が真っ向から対立するなか、被告人質問が行われた。

「発作を起こし落としてしまったのかも」

▼弁護士「当時の状況は?」

▼松本被告「ミルクを作っていたら、ゴトって音がして、笑乃ちゃんの方を見たら倒れていた」

▼弁護士「倒れた瞬間は見ましたか?」

▼松本被告「見ていないです」

▼弁護士「笑乃ちゃんを落とした記憶は?」

▼松本被告「ないです」

事件当時の記憶を説明した一方、笑乃ちゃんの頭に骨折があることを医師から聞かされた際、こんなことも考えたという。

▼松本被告「もしかしたら、私がてんかん発作を起こし、落としてしまったのかもしれない」

また、副作用などを懸念し、事件当時は症状を抑える薬を服用していなかったと主張した。

判決は、来年3月に言い渡される。

(テレビ西日本)

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