全国でも珍しいスキーのジャンプ台がある長野県白馬村の小学校で、老朽化したジャンプ台の新設工事が進められています。12月には完成予定で、児童たちは期待に胸を膨らませながら、壁面に飾るイラストの色塗りなど準備を進めています。
にぎやかに絵の具で色を塗る児童たち。白馬村の白馬北小学校の5年生です。
5年生:
「ずっと残るからこそ、ちゃんときれいに塗りたいなという気持ちで描いています」
何のイラストかというと、校庭の一角で新設されているスキーのジャンプ台の壁面に飾るイラストです。
全国でも珍しいジャンプ台がある白馬北小学校。1968年に大ジャンプ台が造られ、その5年後には小ジャンプ台も整備されました。
卒業生であるノルディック複合の渡部暁斗選手と善斗選手も小学校の頃は、このジャンプ台を飛んでいました。
学校の伝統でもあるジャンプ台。しかし、2基あるうち低学年が使う小ジャンプ台は老朽化で骨組みがゆがみ、2022年から使用禁止としていました。
そうした中、立ち上がったのが、今の5年生です。
児童:
「1、2、3年生が小ジャンプ台を飛べてないから早く飛ばしてあげたい」
2024年7月に「ジャンプ台直し隊」を結成。クラウドファンディングで支援を募ったところ目標の100万円を大きく上回る320万円が集まりました。
このほか、児童たちによる募金や、自作のアクセサリー販売、村内企業からの寄付などと合わせて、工事費用を確保することができました。
小ジャンプ台は7月までに取り壊され、10月から新設工事が始まりました。ヨーロッパで多い木造のジャンプ台にする予定で、年内には完成する見込みです。
全校で色塗りをした雪の結晶やスキーヤーなどが描かれたイラストは、その壁面に飾られます。
5年生:
「せっかく小ジャンプ台直せたから丁寧にやる気持ち」
「これから白馬北小に来る1年生が、安全に楽しめるジャンプ台になってほしいなと思いながら」
「デザインがかわいいから、(大ジャンプ台より)小ジャンプ台の方が気分が上がるかも」
5年生担任・塩原一矢教諭
「明るい未来の希望がつまったジャンプ台になるのかなと思いながら見ています」
児童たちの思いが詰まった学校のジャンプ台。12月20日に完成セレモニーが行われ、2026年1月下旬から使用される見通しです。