秋田県内では市街地、特に私たちの生活圏でクマの出没が止まりません。クマの出没で私たちの生活が脅かされています。子供たちは保護者の送迎で登下校し、屋外活動も制限。日常の光景が根本から変わろうとしています。教育関係者は「まさかこんな時代が来るとは」と不安を口にしながらも、子供たちを守ろうと様々な対策にあたっています。

朝と夕方、爆竹やラジオでクマに人の存在をアピールするとともに、周辺にクマの痕跡がないか注意深く確認。

大館市の向陽こども園では、いまこれが日常の光景です。

向陽こども園・佐々木夕子先生:
「まさかこんな時代が来ると思わなかったが、子供たちの安全を一番に考えると、まずクマに出合わせないことを第一に、これからも少しずつ外遊びや自然との関わりを大切にしていきたい」

市内でクマの目撃情報が相次ぐ中、園は子供たちの安全と活動の場を守ろうと対策を重ねています。

クマが近づく恐れがあるとして、園の“シンボル”として親しまれてきた樹齢50年を超える栗の木のほか、柿の木など実のなる木を20本以上伐採しました。

18日は雪に誘われた子供たちが外を駆け回ったり、雪遊びをしたりして過ごしていましたが、屋外での活動は時間を制限しているほか、常に3人以上の職員が周囲の状況を監視しています。

向陽こども園・佐々木夕子先生:
「クマが身近にあるというか、園児にとってそんなに恐れていない存在であるのを感じて、クマの存在を教えるのが難しい」

子供たちにとって、クマは絵本やアニメで親しんできた存在。園は子供たちにクマの“怖さ”を繰り返し伝えています。

園は危機管理マニュアルの中に「クマ対策」を新たに設け、今後クマの出没を想定した避難訓練を実施する予定です。

児童・生徒も学校生活に影響が出ています。市内の成章小学校は登下校の際、保護者に車での送迎を要請しています。

送迎に来ていた保護者は「フルタイムで働いている保護者は大変だと思う」と話します。

放課後、送迎が難しい児童が児童クラブに向かう際は、クマスプレーや棒を持った教員などが約700メートル離れたクラブに送り届けます。

成章小学校・一関光校長:
「子供たちは随分我慢しているが、何よりも安全が第一なので、校内での遊び方も工夫しながら取り組んでいる」

子供たちの安全を確保するとともに生活をどのように守るか。日常の光景が根本から変わろうとしています。

秋田テレビ
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