昨シーズン限りで現役を引退したジュビロ磐田の山田大記さん。現在はクラブと地域をつなぐ役割を担いつつ、現役時代に立ち上げたNPO法人で支援が必要な子供たちのサポートに尽力しています。先日、そのセカンドキャリアで目標の1つだった常設の子ども食堂の設立へ大きな動きがありました。
10月、ヤマハスタジアムのグッズ販売で店頭に立った山田大記さん(36)。
昨シーズン限りで現役を引退した彼はジュビロ磐田に籍を残しながらセカンドキャリアを邁進しています。
プロ1年目から名門クラブの10番を背負い、国内ではジュビロ一筋12年、J通算300試合以上に出場してきたサックスブルーのレジェンドです。
キャリアの晩年はピッチの外にも目を向け、児童養護施設の少年との出会いをきっかけにNPO法人を設立。
貧困や障がいなど、子供たちを取り巻く様々な社会課題の解決へ支援に力を入れてきました。
ジュビロ磐田・山田大記 CRO:
M(サイズ)かな?ありがとう。いっぱい着てね
この日、販売していたのは自身が監修したオリジナルTシャツ。
コラボしたスポーツメーカーのロゴに子供たちの夢を乗せています。
ジュビロ磐田・山田大記 CRO:
子供たちにたくさん書いてもらった。自分の夢とかなりたい姿をデザインの中に小さくたくさん埋め込んで子供たちの未来に向けた明るい希望が込められたデザインになっている
売り上げの一部はNPO法人の活動資金に。
ジュビロ磐田・山田大記 CRO:
職業を書いてくれる子が多い中で、人を笑顔に、幸せにできるような大人になりたいと書いてくれている子がいて、スタッフみんなでなんか心洗われるねと、自分たちもそういう大人でありたい。なりたいねと話をした
子供たちとそこに関わる全ての人々を笑顔にしたい。
そのための拠点として目標としていたのが常設の子ども食堂の設立。
実はこの秋、大きな動きがありました。
JR浜松駅から車で約15分。
ここで空き家になっていた店舗付きの住宅をついに購入したのです。
数千万円の金額が動く…。
決断にはどうしても時間がかかり、この春は物件を見つけても他に買い手がついた苦い経験がありました。
それでも今回は立地や価格、部屋の広さなど、重点的に確認する項目を事前に整理して速やかに決断できたといいます。
NPO法人ReFrame・事務局メンバー:
ここの壁ぶち抜きたいですけど、意外といけそう
NPO法人ReFrame・山田大記 副代表:
構造上はいけるみたいです。何かの時に閉められますというのは多分必要という感じでした。最悪(許可が)取れた方がいいけど出窓で渡せるだけでも違うなと思う
NPO法人ReFrame・事務局メンバー:
出窓でも全然違いますね。ここに台が出ててカウンターにしておけば
もともと駄菓子屋で、手作り弁当も販売していたこともありキッチンや店舗スペースは充実。
大規模なリフォームを施して店舗と住宅を直接繋ぎ、1階で「食」の提供を整備します。
NPO法人ReFrame・事務局メンバー:
この奥に駄菓子屋が
NPO法人ReFrame・山田大記 副代表:
この裏に棚がある感じ。さっき見ていた。だからここから出窓にしちゃってご飯を受け取れれば
さらに…。
NPO法人ReFrame・事務局メンバー:
すごい良いじゃないですか。これで学習支援を年代別とかでね
NPO法人ReFrame・山田大記 副代表:
全然できますね
「食」だけではありません。
理想とするのは様々な体験や学習支援も賄える「多機能型」の子ども食堂。
支援が必要な家庭にとっての「居場所」を目指しています。
NPO法人ReFrame・山田大記 副代表:
本当に日頃から頼ってもらって、様々なサポートを受けられて、いざとなったらここで衣食住全て短期的には賄える、サポートできるような場所に出来れば
山田さんたちNPO法人が掲げる“Free your dream”。
1人でも多くの子供が自分らしく、願わくば自由に夢を持って歩めるように。
そんな社会を実現することが山田さんの新たな夢、その挑戦がいま、大きな一歩を踏み出そうとしています。
NPO法人ReFrame・山田大記 副代表:
ここまで形になってきて動き始められるところまで来たことに1つの達成感はあるんですけど、実際にはここがスタートラインだと思っている。(これまでの活動で)本当に根本的にご家庭の課題解決に至っているかというとまだまだだと思うので、この場所がその役割を担えるようにしっかりと運営していきたい