戦前沖縄から研究目的で持ち出された遺骨少なくとも106体が京都大学に保管されていることが分かりました。

京都大学の前身、京都帝国大学の研究者らは人類学の研究のため1929年に今帰仁村の百按司墓から遺骨を持ち出しました。

大学は2025年5月、26体の遺骨を学術資料として保存することを条件に今帰仁村教育委員会に返還しています。

京都大学によりますと、5月に返還した遺骨以外に本部町や南城市、那覇市などの墓や洞窟から持ち出した少なくとも106体の遺骨を大学で保管しているということです。

持ち出された遺骨をめぐっては、沖縄県内の市民団体などが京都大学に対して返還を求めていました。

大学が示した遺骨の返還に関するガイドラインでは、個人が特定されていない遺骨は地方公共団体などの要請を受け協議した上で遺骨を移管するとしていますが、今回公表された106体の遺骨の個人は特定されていません。

2017年から遺骨の返還を求めてきたニライ・カナイぬ会の松島泰勝共同代表は京都大学の対応を一定程度評価するいっぽう説明や謝罪も合わせて行うべきだと指摘しています。

ニライ・カナイぬ会 松島泰勝 共同代表:
持ち出すことによって個別の特定ができない状態にしてしまったとですからむしろ京都大学側に責任があるわけなんですね。そういったことも全然説明せず謝罪もせずこういった返還・移管の手続きをするということは大きな問題だと思っています

松島共同代表は遺骨についての研究の詳細や、遺族などから同意を得ずに持ち出したのかなど合わせて公表するよう求めていくことにしています。

沖縄テレビ
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