10日の国会、議論が紛糾し討論がストップする場面がありました。
そして、台湾有事をめぐる高市首相の発言に野党が反発。
さらに、大阪の中国総領事館のトップが、「その汚い首は一瞬の躊躇(ちゅうちょ)もなく斬ってやるしかない」などと投稿し、波紋が広がっています。

高市首相が臨んだ本格論戦2日目。
中国による台湾への軍事侵攻が想定された、“台湾有事”をめぐる高市首相の発言が波紋を広げています。

立憲・大串議員:
台湾有事において「武力行使が行われれば存立危機事態になる」と(高市首相は)踏み込んだ。軌道修正をされた方がいいのではないか。

高市首相:
最悪のケースというものを想定した答弁をした。特に撤回・取り消しをするつもりはございません。

先週の国会で高市首相は、台湾が武力攻撃を受ければ日本が集団的自衛権を行使できる「存立危機事態」になり得ると発言。

週明けの10日、野党側が追及しました。

立憲・大串議員:
これが認定されれば防衛出動です。日本の国として戦争に入るということ。撤回・取り消しはしないのか?

高市首相:
従来として、政府の立場を変えるものではない。どのような事態が存立危機事態に該当するかについては、実際に発生した事態の個別具体的な状況に即して、政府がすべての情報を総合的に判断すると繰り返し答弁している。

台湾有事をめぐる高市首相の発言の余波は、国会の外でも…。

大阪の中国総領事館トップ・薛剣総領事は、高市首相の先週の発言を報じた記事を引用し、「勝手に突っ込んできたその汚い首は一瞬の躊躇もなく斬ってやるしかない。覚悟が出来ているのか」と日本語で投稿。

その後に削除しましたが、この投稿に日本政府は…。

木原官房長官:
中国の在外公館の長の言論として、極めて不適切と言わざるを得ません。

中国側に説明を求めたことを明らかにしました。

これに対し、中国外務省は10日午後4時ごろ、「中国政府は、すでに日本側に重要な抗議を行った。(台湾問題は)完全に中国の内政問題で、いかなる外部勢力の干渉も許されない」と述べました。

また大阪の中国総領事館は、FNNの取材に「総領事は不在」として取材には応じませんでした。

野党は、10日の国会でチーム高市のこの人も追及。
沖縄・北方担当相に抜擢された黄川田大臣です。

8日、北海道・根室市の納沙布岬を訪れ、対岸から北方領土の歯舞群島を視察。

黄川田沖縄・北方相(8日):
(大臣、感想は?)一番やっぱり外国に近いところです。目で感じるというのは大切だと思う。

日本固有の領土である北方領土を“外国扱い”したともとれる発言で、その後、黄川田大臣は「誤解があった」と釈明。

10日の国会で、北海道選出の野党議員が追及しました。

立憲・大築議員:
もしかして北方領土を外国と認識されていたのか。発言の真意をお答えください。

黄川田沖縄・北方相:
納沙布岬の当時の気象状況は寒風吹きすさぶ中で、話全体の文脈をとらえて聞いていただく、ご理解いただくことが難しい状況だった。

高市首相は、「北方領土問題に取り組む政府の立場に誤解を招きかねないと感じた」としたうえで、黄川田大臣に電話で注意したことを明かしました。

予算委員会は、11日も行われます。