予約時間通りに現れた“刃物男”に、9日午後の商業施設は一時騒然としました。
男は張り込んでいた警察官に取り押さえられました。
これは9日午後5時半ごろ、福岡県福津市にある商業施設の店舗で撮影された“刃物男”の様子です。
男は刃渡り20センチのナイフを持ち、さすまたなどを持った警察官に囲まれています。
◆目撃者
「長い刃物を持って大声出して叫んでる男の人がいて、とにかく大きい声で叫んでいた。警察官に『口の利き方を考えろや』みたいなことを大きい声で言っていた」
男は警察官に取り押さえられ、銃刀法違反の疑いで現行犯逮捕されました。
けが人はいませんでした。
逮捕されたのは北九州市八幡西区の無職、藤林和宏容疑者(20)です。
藤林容疑者は、犯行前から警察が警戒していた人物でした。
きっかけは事件の前日。
警察によりますと現場の店舗で働く女性から元交際相手の藤林容疑者について相談が寄せられたといいます。
その内容は、藤林容疑者が自身の携帯電話の番号から偽名を使って店舗に来店の予約を入れてきたというもの。
女性は「男が職場に来るかもしれない」と相談したため9日、警察官2人が警戒していました。
すると、9日夕方、容疑者が予約通り店を訪れたため警察官が声をかけたところ、「バッグの中に爆弾がある。押すぞ」などと大声を上げ、ナイフを取り出したということです。
現場には応援の警察官もかけつけ、商業施設の中は一時騒然となりました。
◆目撃者
「レジ側の奥の方で、刃物を見せて警察官が説得していた。取り押さえられて、刃物も警察官が取り上げて、(男が)床にすべり落ちるところまでは見た」
警察が所持品を調べたところ、バッグやズボンのポケットにもナイフを1本ずつ隠し持っていたというこです。
警察の調べに対し、藤林容疑者は「ナイフを持っていたことは間違いありません」と容疑を認めているということです。
警察は、犯行の動機などを詳しく調べる方針です。