豊臣秀吉の朝鮮出兵の拠点として肥前名護屋城周辺に築かれた前田利家の陣跡の発掘調査で巨大な堀とみられる遺構が見つかった。「まるで城」と専門家が言うその規模は、当時の利家の力を示す貴重な発見だという。

約50年の発掘調査で特筆すべき成果

豊臣秀吉の朝鮮出兵の拠点として肥前名護屋城の近くに築かれた前田利家の陣跡。11月4日、佐賀県唐津市の前田利家の陣跡で発掘調査の説明会が開かれた。

前田利家の陣跡(佐賀・唐津市)
前田利家の陣跡(佐賀・唐津市)
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調査にあたった名護屋城博物館は、巨大な堀とみられる遺構が見つかったと発表。それは大変貴重なものだという。

名護屋城博物館 家田淳一館長:
約50年間続いている特別史跡・名護屋城跡ならびに陣跡の発掘調査の成果の中でも特筆すべき成果の1つと考えている

「まるでお城」“姫路城”級の規模

今回の成果を説明する専門家も今回の発掘調査の成果に興奮を隠せない。

城郭考古学者で名古屋市立大学高等教育院の千田嘉博教授は、「前田利家陣と今まで言ってまいりましたが、まるでお城のような陣であった。陣というより前田のお城と言ってもいいのではないか」と熱く語る。

巨大な堀とみられる遺構は、長さ約400メートル、幅約20メートル、深さ約5メートル。

名護屋城の周辺にあった約160の陣の中では最大規模で、”姫路城級”だという。

歴史学者 健康科学大学 平山優特任教授:
もし前田陣跡の堀が確実に堀だとするならば、この堀幅は姫路城と同じくらいある

利家の力や存在感の大きさ示す遺構

豊臣秀吉を支えた一人の前田利家。堀とみられる遺構は、利家の力や存在感の大きさを示す貴重な発見だという。

城郭考古学者 名古屋市立大学高等教育院 千田嘉博教授:
正直すごいものがみつかったというのが最初の感想。名護屋城に面した正面部分、山麓の様子の全貌がほぼ分かってきた、という点で画期的な成果だと思う

今回の発見は、11月23日と24日に開かれるイベントの中で一般公開される予定だ。

サガテレビ
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