福井県職員に対するセクハラ疑惑が発覚した杉本達治知事は6日、11月の定例会見に臨んだ。記者からは職員の1人が外部の通報窓口に「知事から不適切なテキストメッセージが送られた」と通報した事案について質問が相次ぎました。
報道陣との一問一答は以下の通りです。
Q.県職員からセクハラに関する通報があった件について、発表から2週間が経つが改めて受け止めを―
「 まずは、私の言動に関する通報で、県民の皆さんにご迷惑、ご心配をおかけしておりますことに心からお詫びを申し上げたい。その上で、今は第3者の調査に全面的に協力をしている。その結果を待って適切に対応していく。日々の活動については、これまで通り、襟を正しつつ県政全般についてしっかりと対応している」
Q.知事が送ったテキストメッセージについて、自身は不適切な内容だったという認識はあるのか―
「これについては、私が一方的に自説を申し上げることは調査に影響を与えると考えているのでコメント控えさせて頂きたい。いずれにせよ調査には全面的に協力している」
Q.同様のメールを他の職員に送ったという認識は―
「今回の通報に関しては現在、調査中なのでコメントは控えさせていただく」
Q.6000人対象の全庁調査について、特別調査委員会が締め切りを延長した理由と今後の流れは―
「調査については、私は調査を受ける側なので、動きについては承知していない。調査員の皆さんのお考えで進めるという認識」
Q.県政を今後進める上での影響はどう考える―
「大変ご迷惑をおかけしているということについては申し訳なく思っている。その上で、県政については滞ることなく、全力でいつも通り、さらに襟を正しながら力を入れている。調査には全面的に協力をして、結果を受けて適切に判断をしていく」
Q.知事は「幸福実感ウェルビーイング」という政策を非常に重視しているが、幸福を実感できる根底には心理的安全性というものが重要ではないか。知事が職員に送ったメッセージはそれを脅かすものに当たるため、職員から通報があったんだと思うが、どう考える―
「重く受け止めている。中身については、調査の中で明らかにしてもらえると思っている。いずれにしても県政の停滞がないよう、県民の皆さんに心理的な安全性をしっかり感じていただけるような政策の推進もしっかりと行っていきたい」
Q.現時点で、県政の停滞はないという認識か―
「私としては、職員の皆さんには日頃から一生懸命、福井県民の皆さんのために精神誠意努力をして頑張っていただいているところに大きな負担と不安をおかけしていることに本当に申し訳なく思っている。色んな思いを持ってる職員もいると思うが、私は私で精神誠意、これまで通りというか、これまで以上に、力を入れて県政の推進のためにやらせていただいている。そういう意味では大きく何かが変わることはないようにしているし、日々の仕事をしっかりと取り組んでいる。そこから先は職員の皆さんが本当にどう感じてるか、もしくは県政がどう動いてるか、という事になろうかと思う」
Q.全庁調査で、仮に類似のハラスメント通報が出てきた場合はどう対応するのか―
「今は調査中なので、調査結果を受けて判断したい」
Q.職員への調査が10日が期限になっているが、この内容はいつ公表されるのか、この件の調査と同時に公表になるのか、その形式がどうなるのか―
「総務部です。時期につきましてはもう、今現段階で申し上げれる状況ではないのでご了解いただきたい。できるだけ急ぎたいという気持ちはあるが目処は聞いていない」
Q.今回の事案の公表に驚いた県職員は大変多かったと思うが、知事に直接声をかけられてきた県職員はいるのか、いたらどんな声をかけられたのか。知事からは何か声を掛けたのか―
「仕事では四六時中職員と接触をしているので、どれがどうだったかは正直言って覚えてないところはあるが、中には励ましの声を掛けてくれる人もいる。職員の中には直接、私に厳しいことを言われた人はいないが、他の場面ではあった。ご迷惑をおかけしてるということなので、私はもちろん必要な時には最初に謝罪をした上で仕事をしているし、そうでなくても、常に相手に対して、心配や迷惑をかけてないかということも思いながら、一方で仕事については一緒に今まで通り全力でしている」
Q.公務の中でも、国や他県の知事の方と会う機会がこの2週間でもあったと思う、その時に何かかけられた言葉はあるのか―
「お相手から言われることもありますが、今のところは普通にお仕事させていただいている」
Q.事案の内容を深掘りする意図の質問ではないので、是非、ご回答いただきたいのだが、セクハラというのはパワハラと一緒で、同じ言葉行動でも受け取る側にとって変わってくる。相手との関係性でも同じ内容でも変わってくる。今回のことではなく、知事はどういう場合にセクハラになるという認識があるのか―
「セクハラについては、相手の意に反する形で、性的な言葉や行為をするということが定義なんだろうと思う。特に相手のあるお話だということも含めて、しっかりと自分でも認識をしながら対応していきたい」
Q.通報の内容については、知事から職員にテキストメッセージが送られたという通報だったが、その後2週間ほど経ち、知事から業務連絡をする際の連絡方法を変えたり、接触方法を少し変えたということはあるか―
「今回の事案を認識してからは、できるだけ私的なやり取り、特に職員に対しての時は中身を考えるということはあったと思う」
Q.その私的なやり取りというのは、業務に絡まないやり取りも日常的に前々からあったということか―
「これは調査の中身に関わるので、調査委員にお答えしていきたい」
Q.公務は基本的に、通常通りされているということだが、影響のあった公務はあるか―
「もしかすると秘書課にそういう話があるのかもしれないが、私が知る限りでは、何か行事が先方から言われてキャンセルにることはないという認識」
Q.通報があったのが4月で、公表されたのが10月だったと思うが、ご家族にはいつ頃報告したのか、その反応は―
「いつだったかというのはあまり覚えていないが、話をしたところ大変驚いていた。本当に心配をかけているが、家族の中の話なので、これぐらいにさせていただきたい」
Q.今後、特別調査委員がまとめる報告書で処分が適当とまとめた場合、知事はその通りに従うという意味で「適切に対応」ということでよいか―
「現状は、調査には全面的に協力をし、その結果を受けて、その時点で適切に判断をしていくということだと思っている」
Q.県民から応援や厳しい意見など、どんな声を掛けられたかー
「私が直接お話ができるというのはそれなりに親しい方なので、客観性はなかなか担保できていないが、励ましのお言葉をいただいたり、厳しいお言葉をいただくということがある」
Q.知事のSNSを再開する予定は―
「現状においてはございません」
Q.例えば報告書が出るとかでもなく、今のところ未定かー
「全く未定でございます」
Q.ハラスメントに関する何かしらの規制や具体的な取り組みを推進する考えは―
「今は調査中なので、少なくとも報告書を待って色々検討していく」
Q.今回の通報を受け、専門家のアドバイスや自身の中で意識改革はあったか―
「コミュニケーションについては変えているつもりはないが、変えているとすれば、相手によっては冒頭、謝罪もしなければいけないところは意識はするが、これは日頃の考えの延長線上で相対するし仕事の中身には影響を与えないようにしている」
Q.専門家の方にアドバイスを受けたり講習を受けたりは、現時点でないのか―
「専門家というのはどういう方を言われてるか分からないが、もちろん、このことについて他の方とご相談をするということはあった」
Q.後援会には何か報告したのか、どのような声が上がっているのか―
「後援会にも、今回のことで大変ご心配とご迷惑をおかけしているということについての謝罪と、調査に全面的に協力をしていくということ、結果を受けて適切に判断をしていくということを報告した。冷静に見守っていただいていると考えている」
Q.県に対して苦情、批判などは何件ぐらい入ってるのか―
「 総務部から答えをさせていただきます。5日現在で67件、電話やメールでいただいている。11月に入ってからも2件ある」
Q.対応する職員の精神的な負担について知事はどのように受け止めるか―
「迷惑や不安を与えていることについて、本当に申し訳ないと思っている。調査に全面的に協力をしながら、結果を受けて適切に対応していく」
Q.知事が直接、一部の職員に業務連絡をされることもあるかと思うが、メール以外にテキストメッセージを活用することもあるという認識で良いか―
「メールも含めてテキストメッセージだと思う」
Q.県民に対して直接、説明する機会等を設けることは考えていないのか―
「調査結果を受けて説明をさせてもらおうと思っているが、基本的に、しっかりとご質問にお答えしていくというのは県民の皆さんに対する説明責任の果たし方の1つであるというふうには認識している」
Q.どのように信頼回復を図るのか―
「ご指摘については重く受け止めている。襟を正してしっかりと前に進めていく、もちろん新幹線の課題なども進めていくことで信頼を回復していくしかないと考えている」
Q.職員への調査の人数が3500人程度になる見通しが、翌日には6000人と倍近くの人数になったのは―
「人事課からお答えいたします。 会見の当時、あくまで検討中ということで答えたが、その後、広く調査をすべきという判断で約6000人となった」
Q.回答期限が10日あまり延長されることになった弁護士の考えは。また、県から発表がなかった理由は―
「調査期間の延長については、専門の弁護士の意見で、もう少し期間を置いた方がいいだろうという判断だった。延長した事への報道対応については、22日の記者会見でこれから調査を行うとお伝えした際、期間は検討中としていたので、あくまでその流れでの延長。特に何か都合が悪いとかそういったことがあったわけでも全くないが、もし説明が足りないとおっしゃるのであれば、そのご意見を真摯に受け止めたい」