日本海の冬の味覚・ズワイガニ漁が6日、解禁となった。初日の獲れ高は2024年並みだというが、漁師からは今後に対する不安の声が聞かれた。専門家はカニの“少子化”を指摘している。
“冬の味覚”求め多くの人
6日、東京・松坂屋上野店で開かれている北陸物産展は、日本海グルメを求めて多くの人で賑わっていた。

日本海の海の幸がたっぷりと盛り付けられた海鮮弁当には行列ができていた。

男性客:
カニも入ってるしノドグロも入ってるし、イクラも入ってるから。カニ好きですね。カニだったら何でもいいです。毎日でもいいね、僕は(笑)
女性客:
カニとノドグロと…。(カニ)好きです。

お客さんの一番人気「カニ」を扱う店では、店頭のケースに大きなカニがズラリと並んでいた。
カニの食べ方の説明を聞いていた女性客に話を聞くと…。
女性客:
(カニ)好きですよ、みんな好きでしょ。年に1回は食べたいですね。(今日)カニと思ったんだけど、ちょっと後に本ズワイガニが出るんですって。2~3日後に来ようかな。

6日の店頭に並んでいたのは、10月1日に漁が解禁された「紅ズワイガニ」。
6日に漁が解禁となった「本ズワイガニ」は、8日土曜日から売り場に届くという。

(株)大廣 鹿渡島定置・村田大輔さん:
(本ズワイガニが)いっぱい捕れて少しでもお客様に安く提供できればいいなと思ってるんですけど、状況次第なので、ただいっぱい捕れることだけを期待しています。
初物の最高値は180万円
毎年11月6日に解禁となるズワイガニ漁。各漁港で初競りが行われた。
兵庫・新温泉町の浜坂漁港では午前10時すぎに漁を終えた船が戻り、ズワイガニが次々と水揚げされた。

漁師:
多いです。それなりに捕れたのでよかったと思います。
最高級ズワイガニ「煌星(きらぼし)」の“初物”の値段は…。

料理屋 植むら・植村良輔店主:
最高値で今年は180万円ですかね。
(Q脚1本だけでどれぐらい?)
いくらだろう…。脚6本として180万円が30万…1本20万円ぐらい、原価にすれば。
ズワイガニの“少子化”課題に
漁初日となった6日は、2024年並みの獲れ高だったというが、漁師からは不安な声が聞かれた。
漁師:
2~3年前から(子ガニの)姿が見えなくなってきて。心配ですね。3年後か2年後、ガタ落ちするって水研は言ってるので。
1999年からズワイガニの資源量の調査をしている水産資源研究所では、今季の資源量は過去最多であるとした一方で…。

水産研究・教育機構 佐久間啓主任研究員:
直近数年間は資源は良い見通しなんですけども、来季以降の(ズワイガニの)少子化っていうのは、ほぼ間違いないんです。
大人はいっぱいいるんですが、子どもが少ない状況はすでに起こっていると考えて間違いないと思います。

ズワイガニは、隠岐東沖周辺で産卵。ふ化したての赤ちゃんカニは海中を漂うが、「暖水渦」と呼ばれる海流の勢いが強くないと、生息に適した山陰の海域に戻れないのだという。
水産研究・教育機構 佐久間啓主任研究員:
現時点で小型のカニ、稚ガニというのが非常に少ない状況になっている。ですので将来的に資源は減っていく見通しとなっているわけです。
(「イット!」11月6日放送より)
