先月26日に投開票が行われた宮城県知事選挙には、参政党が初めて知事選挙に参戦したことで、大きな話題となった。

5選を目指す現職の村井嘉浩氏と、自民党の前・参議院議員の和田政宗氏との間で激しい選挙戦となり、結果は約1万5800票差と大接戦で村井氏が当選した。

接戦となった要因のひとつとして指摘されるのがSNS上で拡散したデマ。

関西テレビ「newsランナー」に出演した弁護士の橋下徹氏とジャーナリストの安藤優子氏は「メディアの責任」ついて議論した。

■橋下氏「選挙は時代が時代であれば、殺し合いをして、権力を取るような作業」

橋下徹氏は「選挙って時代が時代であれば、殺し合いをして、権力を取るような作業。それを票に変えただけですから、激しいそういう戦いになるのはもう間違いない。

今はSNS時代ですから、もう本当にいろんな言論が飛び交ってデマにもなることは間違いありません。

ただこれを事前に規制するとか、どこかの権威が事実かどうかを判定するということになると、これは表現の自由に対する重大な影響にもなる」と指摘。

事後的な措置として、名誉毀損、人格権侵害、選挙妨害など裁判で争うべきだとする。

一方で、いまの日本の慰謝料の水準は低く抑止力につながらないことを問題視し、「億単位、10億単位の慰謝料が来るとなることで抑止力が働く。裁判での慰謝料の額をドーンと引き上げるべきだと思う」と述べた。

橋下徹氏
橋下徹氏
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■安藤優子氏「マスメディアが大切な一線としてきた責任を個人も負う時代」

ジャーナリストの安藤優子さんは「これまではマスコミュニケーションの時代。マスから個人に情報を伝えていたが、今はもうひとりひとりの個人がメディア。個がパーソナルメディア」だと指摘。

「パーソナルメディア」である個人が伝聞として伝えていくときの責任がどこにあるのかという教育を日本は全然していない」とし、「発信した言葉がもしデマだった場合には、デマを言われた人たちにとっては一生ついてまわるっていうことの重大さ、発信の責任をもっとちゃんと勉強してもらわないと困る」と意見を述べた。

その上で、オールドメディアと言われるマスメディアが「本当に大切な一線としてやってきた」発信する責任について、「みんな(個人)がメディアなんだから、みんな(個人)もその責任を負うということをはっきりしたほうがいい」と持論を述べる。

この意見に対し橋下氏は「テレビや新聞が絶対的に正しくて、SNSの情報が間違っているという姿勢は絶対にダメ。そういう姿勢を感じ取ってしまったら、SNSの方に行ってしまう。(マスメディアとパーソナルメディアが)同じメディア同士としてお互いにチェックしてあうべき」と述べた。

(関西テレビ「newsランナー」 2025年11月5日放送)

安藤優子氏
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関西テレビ
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