岩手県盛岡市三ツ割、市内中心部から旧県営野球場に向かう途中に、ひときわ目を引く洋食店がある。その名も「ポークステーキのキッチンひなた」。店名には、誰もが気軽に立ち寄れる“あたたかい店”でありたいという思いが込められている。
店主の飯塚義三さんは、ホテルやレストランでの修行を経て、2025年7月に「キッチンひなた」をオープンした。
「岩手県ではポークステーキを提供する店が少ないので、おいしい豚肉をもっと気軽に食べてほしい」との思いで店を構えたという飯塚さん。
看板メニューのポークステーキは、厚さ2.5cmから3cmで、約220gとボリューム満点だ。
飯塚さんは「ポークステーキは岩手県産の豚肩ロースを使っている。香草などで1日マリネ、翌日4時間低温調理(62℃)、提供時には、カリッと香ばしく焼き上げて、中はしっとりを目的にしている」と説明する。
下味を控えめに仕上げたポークステーキは手作りのオニオンソースが、より豚肉のうま味を引き立ててくれる。
この日の週替わりパスタセットは、ポークステーキの切り落としを使ったボロネーゼ。
トマトの酸味とデミグラスソースの香ばしさが絡み合い、豚肉のうま味をしっかり感じられるひと品だ。
飯塚さんは「ちょっとトマトの感じが強いがしっかりとコクがある。食べてあまり重くない意外とスッキリさっぱりと召し上がっていただけるような仕上がりにしている」と話す。
ランチタイムは洋食だが、朝メニューではラーメンを提供している。
飯塚さんはかつてラーメン店でも働いていた経験があり、「朝ラーメン」を毎週金曜から日曜の朝6時から9時限定で提供しているという。
チャーシューには、ポークステーキ用に低温調理した豚肉を使用し、鶏だしのスープと、かつお節で作る香味油で、すっきりとした優しい味わいに仕上げている。
飯塚さんは「オープンして3ヵ月、何度か来店してくれるお客さまも増えた。お客さまが、1組でも2組でも『また訪れたい』と言ってもらえるような店にしていきたい」と意気込む。
アットホームな雰囲気で、手間ひまかけた料理が自慢の「ポークステーキのキッチンひなた」に今後も注目を集めそうだ。