宮城県大衡村に本社を置くトヨタ自動車東日本が、下請け業者に対し金型や部品の無償保管を強いていたとして、公正取引委員会が下請法違反で勧告を行った。
公正取引委員会によると、トヨタ自動車東日本は2024年4月から2025年3月にかけて、自動車部品の製造を委託していた10の下請け業者に対し、計440個の金型を無償で保管させていた。これらの金型について、廃棄を認めず長期間の保管を命じていた。
さらに、トヨタグループが導入している「一括生産制度」に基づき、発注数を一括製造させた部品についても、2023年8月から2025年3月にかけて、7事業者から計777個の部品を受領せず、無償で保管させていたことも判明した。
「一括生産制度」は、部品の供給終了までに必要と見込まれる数量をあらかじめ一括で製造・保管する仕組みで、トヨタ自動車がグループ内でマニュアル化している。
公正取引委員会は、これらの行為が下請け事業者の経済的利益を不当に害していると指摘。制度そのものが背景にあるとして、親会社のトヨタ自動車に対してもマニュアルの見直しを申し入れた。
トヨタ自動車東日本はすでに、下請け業者に対し、保管費用相当分と未受領部品の代金、計約1035万円を支払ったという。
同社は「本勧告において求められた措置を速やかに実行し、再発防止を進めてまいります」とのコメントを出している。
 
     
       
         
         
        