新型補給機がISS(国際宇宙ステーション)とのドッキングに成功しました。

フジテレビ「Live News α」に宛ててメッセージを送ってくれたのは、8月からISSに滞在しているJAXA(宇宙航空研究開発機構)宇宙飛行士の油井亀美也さんです。

その油井宇宙飛行士が、30日未明に重大なミッションを成し遂げました。

「私は今回のミッションで、HTV-X初号機をロボットアームで把持、つかまえる役目になっている。責任重大なので非常に緊張もしている」と油井宇宙飛行士が話していたのは、26日に鹿児島県の種子島宇宙センターから打ち上げられた新型宇宙ステーション補給機「HTV-X1号機」についてです。

30日未明、ついにISSに到達し、油井宇宙飛行士が操縦するロボットアームで、無事ISSとのドッキングに成功しました。

無人でISSに生活物資や実験装置を届ける「HTV-X」。
2009年から運用されてきた「こうのとり」の後継機で、軽量化され積載量も約1.5倍に向上しました。

最大の特徴は、物資の輸送を終えた後も単体で飛行ができること。

ISS離脱後から大気圏突入までの最長1年半は、宇宙空間で技術実証のプラットホームとして活用できるといいます。

油井宇宙飛行士がHTV-Xの3つの特徴について話してくれました。

まずは「小型衛星の放出」について。

JAXA宇宙飛行士・油井亀美也さん:
HTV-Xの自在に飛行可能な能力を生かして、複数の衛星を異なる高度に放出することも可能。    新たな衛星利用のニーズを引き出すことができると期待されている。

次に「レーザーで衛星の情報を測定」について。

JAXA宇宙飛行士・油井亀美也さん:
地上からHTV-Xにレーザーを照射してその反射光を測定することで、HTVとの距離を測定することの技術実証を行う。この技術が確立されれば、宇宙ゴミの動きの解析がより精度よくできる可能性。その除去技術の開発につながっていくと期待されている。

最後に「大型構造物の展開・次世代太陽電池の実証」について。

JAXA宇宙飛行士・油井亀美也さん:
将来の宇宙太陽光発電などに向けて、大型の構造物を宇宙空間に展開すると。今回は2.2メートル×4メートルの展開型パネルを広げ、その動作や構造の安定性を確認する。さらに地上からの電波受信や太陽電池の性能も確認して、通信の観測・災害対応など、多分野での宇宙アンテナの性能向上に貢献すると期待。

補給機であり、人工衛星的な機能も備えた次世代の宇宙機。

JAXAは将来的に月面拠点の建設も視野に入れた活用を検討しています。

JAXA宇宙飛行士・油井亀美也さん:
各国のISSの予算が厳しい状況にある中で、HTV-X1の補給能力が世界中からも期待されていると私も感じている。新しい技術もたくさん検証されるし、このミッションは日本の技術力を世界に見せる非常に素晴らしいチャンスだと思う。

鹿児島テレビ
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