米中首脳会談が行われ、追加関税の引き下げや輸出規制の見送りで合意する一方、この会談に先立ち、トランプ大統領は核兵器の実験開始を指示して、中国をけん制しました。

6年ぶりに向き合い、固く握手を交わしたトランプ大統領と習近平国家主席。

アメリカ・トランプ大統領:
素晴らしい会談になるだろう。彼は手ごわい交渉相手だ。

高い関税をかけ合う貿易摩擦をめぐり、1時間40分ほどにわたった会談。

その冒頭、習主席は「世界経済のトップ2として、時折摩擦が生じるのはとても自然なことだ」と述べた上で、「互いに報復の悪循環に陥ってはならない」とも述べました。

両国は、アメリカが合成麻薬フェンタニルの流入を理由に、中国に課している20%の追加関税のうち10%を引き下げることで合意。

また、中国がレアアースの輸出規制の導入を1年間見送ることも決まりました。

トランプ大統領は会談後、記者団に対して会談のできは10点満点中、12点だったと自画自賛しています。

こうした中、米中首脳会談が始まる30分前。
トランプ大統領は自身のSNSで、ロシアと中国の核兵器保有数に言及した上で、「核兵器の実験を始めるよう国防総省に指示した」と発表。

習主席との会談を前に、中国をけん制したとみられます。

これに対し、被爆地からは憤りの声が聞かれました。

長崎市の爆心地から4.3km地点で被爆し、核実験に抗議する長崎市民の会の山川剛代表(89)は「核が使われたらどうなるのか分からないのか?非常に不思議。核実験を指示したそのことだけでも到底許せない」と述べました。

日本被団協(日本原水爆被害者団体協議会)の箕牧智之代表委員(83)は、「核兵器は持ったらいかん、使ってはいけんということをあれほど言っても、核保有国は全然あたまにないのだろう。日本の(高市)総理があれ(トランプ大統領)をノーベル平和賞に推薦すると。軽々しいよあの人も」と述べました。

アメリカは1992年以降、核爆発を伴う兵器の実験を行っておらず、CNNテレビは「アメリカの政策の重大な転換だ」と報じています。

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