10月30日は「たまごかけごはんの日」です。

食卓の定番「価格の優等生」に、またも危機が迫っています。

福岡県飯塚市にある直売所「たまごん工房」。

店内には、どんぶりを一心不乱にかきこむ人たちの姿がありました。

どんぶりの中身は…

ほかほかのご飯に、ポトンと落ちる卵黄の月。

混ぜてかき込めば栄養とうまみが口いっぱいに広がる卵かけご飯です。

10月30日は、20年前に世界で初めて「たまごかけごはんシンポジウム」が開かれたことにちなみ「たまごかけごはんの日」とされています。

◆たまごん工房 畠中五恵子さん
「基本は390円で卵もご飯も食べ放題。何が一番の卵料理かと聞かれるが、やっぱり私は卵かけごはん」

こちらの直売所では6年前から税込み390円で卵かけご飯の食べ放題を行っています。

自社の養鶏場と田んぼを生かした「直結型の食堂」として県の内外から客が押し寄せています。

◆来店客
「スーパーで買うときも高くて、ためらうときもある。おいしいところでいっぱい食べられる」

Q.卵何個食べました?
◆来店客
「10個。1人10個ずつぐらいかな」

記者も試食しました。

◆記者リポート
「卵かけご飯は新米もおいしいし、黄身も濃厚だし、いくらでも食べられますね」

異変が起きたのは6杯目のお替わりにさしかかった時でした。

◆記者リポート
「6杯目…6杯目、普通盛りでお願いします」

◆店員
「5杯まで…ですけど…」

以前は無制限だったご飯のおかわりが、去年7月から1人5杯までに…

原因は「令和のコメ騒動」とも呼ばれるコメ不足です。

◆たまごん工房 畠中五恵子さん
「本当はもっとたくさん自由に食べてほしいと思っている。申し訳ないと思います。いま5杯までに制限させてもらっています」

さらにー

◆たまごん工房 畠中五恵子さん
「(卵の)相場的には去年の同じ月と比べると1キロあたり70円くらい上がっています」

10月30日時点の卵1キロあたりの価格は326円と、今年は2年前の「エッグショック」に迫る水準で推移しています。

さらに、10月22日には北海道白老町で今シーズン初の鳥インフルエンザを確認。

養鶏農家からはコスト高と供給不安の声が上がっています。

◆たまごん工房 畠中五恵子さん
「鳥インフルエンザがでれば(卵が)足りなくなるというのがここ10年ぐらいの傾向で、餌の値段が4年くらい前に比べたらかなり上がりっぱなし。そのコスト高もあって値段は上がり気味ですね」

卵の価格高騰の影響はスイーツにもー。

福岡市早良区の洋菓子店にはイチゴがたっぷりと乗ったケーキがずらり。

クリスマスケーキの予約は例年2000件以上入るといいます。

慣れた手つきで大量の卵を割るのはシェフの高橋さんです。

◆ストロベリーガーデン 高橋章哉シェフ
「一日大体300~500個くらい使っている。1、2年前にすごく値上げをして1回下がったんですけども、いままた鳥インフルエンザの影響で上がってきている」

ふわふわのスポンジに欠かせない卵。

価格高騰と鳥インフルエンザは、スイーツ業界にとっても大きな痛手です。

◆ストロベリーガーデン 高橋章哉シェフ
「状況を見ながら一時的に(卵の値段が)上がったからといってすぐに価格に転嫁させることを考えるのではなく、鳥インフルエンザで高い時期は我慢の時期。鳥インフルエンザがこれ以上ひどくならずに卵の価格が安定してくればいいなと」

再び価格高騰の波が押し寄せている卵。

「価格の優等生」が試される秋となっています。

テレビ西日本
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