春の高校バレー岩手県大会、女子第1シードの盛岡誠桜が5連覇に向けて意気込みを見せている。1年生時からレギュラーとして活躍してきた3年生5人の絆を武器に、5年連続30回目となる春高全国大会出場を目指す。
「高さ・速さ・パワー」の攻撃力
盛岡誠桜は、2025年は1月の県新人戦と5月県高総体で優勝、さらに8月の国民スポーツ大会東北予選では村田監督就任後初めて3位に入り本選出場を果たすなど、着実に力をつけている。
盛岡誠桜の最大の武器は圧倒的な攻撃力だ。「高さ・速さ・パワー」の三拍子がそろった攻撃は相手チームを圧倒する。
2025年は特にダイナミックなバックアタックの練習に力を入れ、コートのあらゆる場所から得点を狙えるチームに仕上げてきた。
この攻撃の柱となるのが2人の3年生だ。
チーム一のパワーを誇るキャプテンでアウトサイドヒッターの阿部結夏羽選手(3年)は、どんなボールでも強気で打ち切る精神的支柱でもある。
阿部主将は「サーブなどで狙われると思うけど、しっかり上げ切って、どんな体勢からでも打ち切りたい」と意気込む。
もう一人の攻撃の要はミドルブロッカーの佐藤愛羽選手(3年)だ。最高到達点2m90cmというチーム最高の高さを誇り、センターからの速攻や高い打点からのスパイクが持ち味だ。
佐藤選手は「ミドルから点を取るのが自分たちのチームの持ち味なので、最初からたくさんトスを呼んで自分からチームの流れを作っていきたい」と語る。
守備も徹底、リベロが攻撃につなげる
強力な攻撃につなげるための守備練習も徹底している。2人で1つのコートを守るレシーブ練習では、1分間ボールを落とさないように動き続ける。
この練習は単なる技術だけでなく、持久力や精神力も鍛えている。
守りの要となるのは3年生のリベロ・内澤璃々選手だ。相手のサーブやスパイクを数多く受ける内澤選手は、チームの攻撃力を生かすため、常に丁寧なパスを心がけている。
内澤選手は「速い攻撃が強みなので、1本目でリズムを作ることを大事にやっていきたい」と語る。
1年生からの経験が生んだ絆
2025年の盛岡誠桜の最大の特徴は、5人いる3年生全員が1年生の時からレギュラーとして出場していることだ。
3年間にわたって積み重ねてきた経験と培ってきた同期の絆は、チーム最大の強みとなっている。
阿部主将は「3年生5人はコートの外では個性的なメンバーですが、コートに入ったら人が変わったようにすごく頼もしい存在」と話す。
内澤選手も「3年間色々なことがあって、つらい時も多かったけど、同級生がいるから頑張れる。いるだけで心強くなる存在」と仲間への信頼を口にする。
5連覇へ…そして全国での勝利へ
3年生にとって集大成となる最後の春高バレー。「このメンバーで全国に行きたい、全国で勝ちたい」という強い思いを胸に、県大会に臨む。
阿部主将は「今年のチームは1年生の頃からこのメンバーでやらせてもらっているので、その経験を生かして全国で勝ち切れるように、まずは県大会を、一戦一戦を大事に戦っていきたい」と決意を新たにしている。
盛岡誠桜の5連覇、そして全国での勝利に向けた挑戦が始まる。
