トレードマークは緑のベレー帽 小学5年生の4コマ漫画家
トレードマークは緑のベレー帽!愛媛県の八幡浜市立喜須来小学校に通う小学5年生の大本士貴(おおもと・しき)くん。絵と物語をこよなく愛する「4コマ漫画家」だ。
10月22日に発表された、高知の横山隆一記念まんが館主催の「4コマまんが大賞・小学生のジュニア部門」で、755点の作品の中から見事大賞に選ばれた。
「気絶するくらい嬉しかった」
小川日南アナウンサー:
「大賞と聞いた時はどういう気持ちだった?」
大本士貴くん:
「気絶するくらい嬉しかった」
受賞作品のタイトルは『ぼくのお母さん』。
金魚にエサをあげようとした主人公が…「へークシュン!」。お母さんのくしゃみにびっくりして、思わずエサを入れすぎてしまう。そんなユーモア溢れる日常を描いた4コマ漫画だ。
初めての応募だったが、審査員からは「丁寧な描写が素晴らしい」「お母さんの特大のくしゃみが楽しい」と高く評価された。
士貴くん:
「実際に金魚のエサをやっている時に入れすぎる人がいたりするので、くしゃみで驚いてかけたことはないけれど、それは自分で考えた」
士貴くんのお母さん・かほりさん:
「士貴が描くようになって、そしたらお父さんも小桜(妹)も家族で、失敗とか見つけた面白いことを言って『あ~そうだね』って言って、しきがまとめたり」

日常の出来事が『4コマのネタ』に見えるという
士貴くんが絵本を描き始めたのは5歳の時。家族と一緒に『出版社ごっこ』をし始めたのがきっかけ。これまでに作った絵本は、なんと100冊以上で、日々、アイデアを書き溜めている。
士貴くん:
「これにいろんな案とかを書いています。5冊目です今」
(Q.アイデアはどうやって思いつく?)「4コマに見える。なんか全部。」
なんと士貴くんには、日常の出来事が『4コマのネタ』に見えるという。
士貴くん:
(Q.最近あった面白いことだと何をネタにした?)
「歯が全然生えてこないからそれを4コマにしたりとか。もしかしたら歯には試験があるのかな”って思って。」

士貴くんの作品は学校でも大人気
士貴くんの作品は学校でも大人気。士貴くんが通う喜須来小学校の図書室に行ってみると、士貴くんが描いた漫画作品が並んでいる。
小川アナウンサー:
「士貴くんの描いた本がたくさんありますね。これはどういう場所なんですか?」
士貴くん:
「ぼくの本を飾っていて読んでくれた人が、面白かったものにシールを張っていくっていう」
士貴くんの作品を並べた「画伯コーナー」だ。それぞれの作品に友達が貼ったシールの数は80枚を超えている。

士貴くんの作品を並べた「画伯コーナー」
小川アナウンサー:
「実際にシールが貼られているのを見てどんな気持ち?」
士貴くん:
「ぼくの本をこんなに読んでくれて嬉しいな~っていう気持ち。」
同級生の子・眼鏡の男の子:
「4コマ漫画がどんどん話題が変わっていって、何回読んでもあきないのでそこが士貴くんの作品のすごいところ」
同級生の女の子:
「かわいい絵が描けるのと面白い話が思いつくところ」

「新刊はよく売れる」無人販売店でも漫画を販売
さらに士貴くんは近所の子どもたちと一緒に無人販売店を運営、その一角に士貴くんの漫画も並んでいる。
士貴くん:
「新刊が出たらよく売れるんです」
近所に住む子どもの保護者:
「みんなで新しいのが出るたびに読みよるよな。士貴くんのユーモアっていうのがすごく出ていて、それがいいなと思って、家族でほほえましく思いながら読んでいます。」
士貴くんの『発想の豊かさ』と『見ていて楽しいイラスト』。その原点にあるのは大好きなあの漫画だ。

「サザエさん憧れて」
小川アナウンサー:
「4コマ漫画を描こうとおもったきっかけは」
士貴くん:
「やっぱりサザエさん憧れて。サザエさんみたいな漫画を描きたいなって思って」

タイトルは『カメラが来た!』
最後に士貴くんに今回の取材を受けて、4コマを描いてもらった。
出来上がった作品がこちら!タイトルは『カメラが来た!』。
士貴くん:
実際に取材の人が来て、『金魚鉢綺麗ですね』って言ったら、実はおととい、『お父さん今度テレビの人が取材にくるんだ』って言ったら、お父さんが『よーし。じゃあ金魚鉢を洗おう』って言って、金魚鉢を洗ったら、げき落ちくんでやっちゃったので、曇っちゃって金魚鉢を買いかえたって話です」
小川アナウンサー:
「それがもしかしてあの水槽?」
士貴くん:
「はい、実際の話です。本当に買い替えました」
汚れが落ちるスポンジで金魚鉢を磨いたところ、むしろ曇ってしまったというお父さんのリアル失敗が、4コマ漫画になった。

「4コマ漫画をいろんな新聞に載せてもらいたい」
何気ない日常を笑いに変えるそのまなざし。
小川アナウンサー:
「ズバリ、将来の夢はなんですか?」
士貴くん:
「4コマ漫画作家で、僕の本当の夢はいろんな新聞に載せてもらいたい。掲載してもらいたい。くすっと笑ってみんなが幸せな気持ちになってほしいな」
大本士貴くんの4コマは、今日も誰かを笑顔にしている。

