10月27日から11月9日は読書週間ということもあり、福島市の図書館では“本好き”がオススメの本を発信する企画が実施されている。
福島市立図書館の2階雑誌コーナーの一角に開設されているのが「ふくよみ本棚」。公募で決まった市民や団体がオーナーになって、市立図書館の本から好きな本を選びオリジナルの本棚をつくれるようになっている。
福島市立図書館の加茂亜子さんは「ふくよみ本棚の本には、アンケートの紙が入っていて、直接的ではないですがオーナーと利用した人とが繋がる」と説明する。
現在、オーナーを務めている1人、堀江格さんの本棚のテーマは「胃にもたれないごちそう」。食にまつわる本が並ぶ本棚の中でも、堀江さんが特に勧めたいのは戦時中の食について書かれた随筆集「ロッパの悲食記」だという。
堀江さんは「特に、戦争末期の食べられないことに対する恨みつらみがものすごい。そういうことを、時代背景を考えながら読むといろんなことが見えてくる」と説明する。またこの企画については「いろんな人が参加して、それぞれの視点でいろんな価値観の本を紹介しているということで、枠にはまらないあたりがいい」と話した。
ふくよみ本棚は2カ月ごとにオーナーが変更されるため、様々な人が参加し、つながれる仕組みとなっている。
福島市立図書館の加茂さんは「あなたの好きを受け取って、私はこんな風に受け止めたよっていうようなことをフィードバックできる。そんな風に本好きの方が緩くつながっていけばいい」と話す。
福島市立図書館によると、無料で読める図書館の利用者は年々増加傾向にあるという。こうした機会に、本に触れてみるというのもいいかもしれない。