広島でもクマが人里に迫っています。TSSの固定カメラがとらえたクマの姿から生態を「ツイセキ」します。
けさ、広島市安佐南区の戸山地区で捕獲用のわなに入っていたクマ。
住民に牙を向けてきました。
【付近の住民】
「やっぱり牙を向いて向かってきています」
「何か音がするな、がたがたというので見に行ってみたら扉が下りていたので何かが入っているなと」
「やっと安心できるかな…」
広島市安佐南区の戸山地区。
住民によりますと、15年ほど前からたびたび人里でもクマが目撃されるようになったといいます。
TSSは、今回クマが捕獲された付近で先月から定点カメラを設置していました。
【辰已麗キャスター】
「あ、映っている!」
カメラは、クマの姿を捉えていました。
きのう午後10時半すぎ住宅の裏山にある柿の木にクマがゆっくりとよじ登り始めました。そして…手で枝を手繰り寄せると、柿の実をほおばります。さらに午前0時半ごろ再び姿を現したクマ。
先ほどより慣れた手つきで木の上へと登り満腹になったのでしょうか…10分ほどで降りてきました。
【辰已麗キャスター】
「これだけ大きなクマが登れるものなんですね」
【阿戸下町内会:内藤正芳会長】
「登る登る、クマは爪がかかるくらいの木の枝だったら登る」「クマがいるから気をつけようねという感じでは過ごしていますけど人的被害が出たりすると大変なことになるんで」
映っていたクマと同一の個体かは分かりませんが、けさ捕獲されたクマは午後0時半ごろ、殺処分されました。
【阿戸下町内会:内藤正芳会長】
「ようやく安心ですね」「これで一安心というかもう出てきてほしくないけどね」
クマの生態に詳しい広島修道大学の奥田圭教授は、冬眠前の今の時期は特にエサを求めクマの行動範囲が広がりやすいと指摘します。
【広島修道大学・人間環境学部:奥田圭教授】
「柿を狙ってきているということがまさにわかる映像かなと思います」
全国でクマが人を襲う被害が相次いでいますが広島でも柿の木を求めクマが人里にやってくることが新たな被害を招く可能性があると警鐘を鳴らします。
【広島修道大学・人間環境学部:奥田圭教授】
「こういう風に人里に下りてきて人を見る機会が増えてくることによって昼間も出始めて人間を襲ってしまうことにつながる直結するような事柄だと思いますやはりこういう状況をなくしていくことが被害を抑えていくためには重要になってくると思います」
柿の木や栗の木を伐採するなど、広島でもクマを人里に寄せ付けない対策が求められています。
【スタジオ解説】
TSSは、クマが捕獲された場所の付近に、先月からカメラを設置していましたが、最初にクマの姿を捉えたのは今月22日のことでした。
柿の木と栗の木の間を歩いていました。
そして26日夕方に住民がクマの痕跡に気が付きました。
そこから、きのう夜・きょう未明にかけて同じ柿の木に何度もクマが出没しました。
広島修道大の奥田教授によりますと「柿の木や栗の木にたくさんの実があるのを学習すると今は特に冬眠前ということもあって執着しやすい」ということです。