鉄道の魅力を熱くお伝えする野川キャスターの「てつたま」です。
【野川キャスター】
前回に引き続き、来月呉線が全線開業90周年を迎えるということで、今回も沿線の魅力をお届けしていきましょう!それでは…
【野川キャスター】(前回の放送)
「このパノラマはすばらしい」
前回は列車に乗り込み、呉線の起点駅、三原駅を出発。
須波駅の辺りから、線路は海に沿うように走り、海の上をすべるような瀬戸内の絶景を楽しみました。
そして、列車に揺られることおよそ1時間20分、最初の目的地へ到着しました。
【野川キャスター】
「さて、やってきたのは安芸川尻駅でございます。もう本当に年季の入った時代を感じるいい駅舎でございますけれども。
こちらの駅からほど近いところに、呉線で一番。ではなくてJRで。それも全国のJRの中で1番のものがあるということで、もうぱっと目に付くところ、安芸川尻駅からほど近いところに日本一短いトンネルとございます。
全国のJRに設けられているトンネル中で一番短いトンネルなんだそうです。
トンネルといえば山をくり抜いていくものですから、それなりの長さのイメージがありますけれども…短い」
そのトンネルがある方向へ向かっていると…
【野川キャスター】
「あ!看板がありますね。すごい、これ地元の皆さんが作られたんでしょうね、日本一短いトンネル、川尻トンネル全長8.7m。87mじゃないですからね、8.7mですからね。
徒歩で行くと8.7mって結構あるような気がしますけれどもね。
実際のものを見てみましょうか?でもやっぱり、こうして看板が作られているのは、ちょっとそそられますね。
こっちですね…あ!と思ったら、あれじゃないですか?見えますね、もうね。あれですよね?これがトンネルなんでしょうね、これね」
川尻トンネルは安芸川尻駅から三原方面におよそ100m進んだ所にあります。
もともと日本一短かったのは群馬県のJR吾妻線の樽沢トンネルだったのですが、2014年に線路の付け替えで廃止となり、川尻トンネルが日本一に繰り上がりました。
【野川キャスター】
「これ列車で通ったら、どれ位かかるでしょうね?」
この疑問を解消するため、改めて列車で通過してみましょう。
【野川キャスター】
「一番短いトンネルですから、通過するまでに何秒かかるのかというのを、私のこの鉄道時計。これを使ってですね、秒数を計ってみようという試みでございます」
<車内アナウンス>
「まもなく、安芸川尻、安芸川尻です」
【野川キャスター】
「安芸川尻につくよというアナウンスがかかっていますが、減速して、ここからなんですね。
あ、あれかな?あれですかね。あれだ、いきますよ。いきますよ。いきますよ。
だいぶ列車も減速しているんですけれども、それでも2秒あるか位じゃないかと思います」
私、しっかり計ったつもりだったんですが、計測後にミスが発覚!トンネルの隣には橋がかかっていまして、そこから時間を計っておりました。
この側面が丸みを帯びている部分がトンネルで、奥は橋だったのですが…
まあどちらにしても、乗っていると日本一短いのであっという間ということです。
最後に呉線開業当初の川尻駅の写真を見て、90年の時の移ろいを感じます。
【野川キャスター】
「川尻停車場付近と書いてあります。ここから撮ったってことですか?そうですよね。
ちょっとじゃあ、これと同じ構図のところを探してみましょうかね。トンネルの上からみましょう。えー、トンネルのまさに、日本一JRで短いトンネルの上まで来ましたけど。
あー…なんとなくですけど、この辺のアングルじゃないですかね?なんかこんな感じですよね。画面の左下に築堤がありますけど、これそんなに形変わってないですね、今もね。
でもこの時代っていうのはもう少し建物が、軒が低い建物が多かったということですよね。
向う側、海まで見えていますけれども。
今はどうでしょうね?海までは見えないかなという感じでしょうかね。
ただ、その後ろの島の形というのは、まさにこの通りですよね。
歴史ですね。変わるものは大きく変わっていますけれども、変わらないもの…石積みのところだったりとか、線形も大きくは変わっていないというところでいえば、何十年たっても変わるものと変わらないものが、この1枚に同居しているんだなと思います。
まさに我々が立っているこのトンネルの上から撮ったであろうということが、容易に推測ができるというのも、時を超えてこの写真を撮った人とつながるような不思議な感覚がありますね」
次回は東洋一の軍港として名を馳せた、呉に到着。
駅の近くにある戦前の遺構を巡ります。
<スタジオ>
【野川キャスター】
日本一短かいトンネルを紹介しましたが、日本一長いトンネルはといいますと
本州と北海道を結ぶ青函トンネルで、長さは53.85キロメートルとなります。