有明海のノリ養殖で漁業者を悩ませている色落ち被害。その“色落ちノリ”を活用した新商品が開発され販売が始まった。「少しでも漁業者の助けになれば」との思いが商品開発のきっかけだったという。

漁業者を悩ませているノリの色落ち

秋に始まる有明海のノリ養殖。毎年のように漁業者を悩ませているのがノリの色落ち被害だ。

色落ちした養殖ノリ
色落ちした養殖ノリ
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少雨やプランクトンの増殖による海の「栄養塩」の不足が原因で、黒くならない色落ちしたノリは商品価値が下がるため、漁業者にとっては深刻な問題となっている。

色落ちノリが「海苔チップス」に変身

その色落ちしたノリを加工した新商品が誕生した。商品名は「海苔チップスBumpy(バンピー)」。

佐賀市東与賀町でノリの加工機械の開発や販売など手がけるイツワ工業が開発、製造したもので、10月26日から販売が始まった。

色落ちしたノリに注目し、独自の特許技術「スチームドライ製法」で加工。商品価値が低下した“色落ちノリ”が新感覚の「海苔チップス」に生まれ変わった。

発売初日に佐賀市で開かれた商品お披露目のイベントでは、6種類の味のほかアレンジレシピも紹介され、参加者は試食しながら新感覚の味を楽しんでいた。

試食した人:
色は薄いと思ったが、味はとてもおいしかった

「少しでも漁業者の助けになれば」

商品を開発したイツワ工業の吉田直人代表は「(生産者が)いま一番困っているのは色落ちノリの問題。これをなんとか少しでも手助けしようと思った」と開発への思いを語った。

漁業者を悩ませている色落ちしたノリに地元佐賀の企業が独自の技術とアイデアで命を吹き込んだ新感覚の商品。インターネット販売のほか、佐賀と福岡の直売所など7カ所で販売されている。

サガテレビ
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