クマによる人身被害が深刻化している秋田県は10月28日、防衛省に自衛隊の派遣を正式に要請しました。
同じくクマの出没が相次いでいる北海道も自衛隊に支援を要請する可能性はあるのでしょうか。
■クマによる人身被害が相次ぐ秋田県が自衛隊に支援要請
秋田県では連日、住宅街などに出没したクマに襲われる人身被害が相次いでいます。
事態を受けて秋田県の鈴木健太知事は28日、防衛省を訪れ、小泉進次郎防衛相に自衛隊の派遣を要請しました。
銃器による駆除捕獲ではなく、クマ捕獲への後方支援を求めています。
■ヒグマ出没が過去最多ペースの北海道
秋田県と同様、北海道でもクマの出没が相次いでいます。
道のまとめでは、2025年度は既に5件の人身事故が発生し、2人が死亡しています。
また北海道警察によりますと、クマ関連の通報件数は9月末時点で3706件と、過去最多だった2023年の年間4055件を上回る勢いです。(前年の2023年9月末時点では3155件)
道民の不安が増す中、北海道も秋田県と同様に、自衛隊へのヒグマ対策の支援を要請する可能性はあるのでしょうか。
■過去には北海道で自衛隊が出動したケースも
実は、北海道内で獣害対策に自衛隊が協力した例は過去にもあります。
2011年には道東の白糠町で、道や町からの要請に応じ陸上自衛隊が、空と地上からエゾシカ駆除にあたるハンターを側面支援する捕獲事業を実施しました。
1960年ごろには、漁業被害の深刻化を受けて自衛隊が、機関砲などでトドを駆除したこともありました。
1961年6月には、北海道南部の木古内町や松前町でドクガが大量発生し、陸自の連隊が幼虫駆除に出動したこともありました。
■北海道から自衛隊への派遣要請はあるのか?
秋田県と同じくヒグマ出没が相次ぎ、人身事故も発生している北海道。自衛隊への協力要請が行われる可能性はあるのでしょうか。
この点について道に確認したところ、道の担当者は「現時点で自衛隊派遣を要請するまでの判断に至っていない」と回答しました。
全国でクマによる未曽有の被害が相次ぐ中、冬眠前のヒグマの活動期を迎え、道民の危機感が一層高まっています。
北海道の鈴木直道知事は、どのようなクマ対策をとるのでしょうか。