うつ病との因果関係は否定
一方で、女性は、うつ病などの発症が男性の言動によるものだと主張したが、裁判所は「業務のストレスや家庭の事情も影響していた」などとして、因果関係は認めなかった。
そのため、休業損害や治療費などの請求は退けられた。
認められたのは、慰謝料20万円と弁護士費用2万円で、東京地裁は10月、男性に計22万円の支払いを命じた。
問われた“呼び名”の負担
この裁判では、女性に対する身体的接触は一切なく、言葉の使い方が焦点となった。そして、不適切な発言が繰り返されたことについて「社会通念上、許容される限度を超えた違法なハラスメント」と断じている。
職場で交わされるコミュニケーションは業務の一部であると同時に、人間関係の土台にもなる。何気ない呼び方や言葉が、相手にどう受け止められるか——。そんな現代を生きる上で必要な視点があらためて問われた判決となった。

 
       
         
        