住民の女性2人と警察官2人が殺害された長野県中野市の事件。殺人の罪などに問われ、長野地方裁判所で死刑判決を受けた青木政憲被告(34)の弁護団が10月27日午後、控訴しました。これを受け、女性2人の遺族が次のようにコメントしました。(全文)

控訴を受けて

長野地裁が下した判決に対し、弁護側が控訴したと聞きました。

殺人という罪を犯しておきながら、被告本人は死刑を受け入れようとしない。

また、真実は分かりませんが、被告は控訴に否定的な考えを示していた中で、弁護人が推し進めたような報道もあります。

いずれにしても、今回4人もの尊い命が奪われたことは紛れもない事実です。

控訴が法律で認められた権利とはいえ、遺族にとっては、やりきれない思いしかありません。

そして、亡くなった4人のことを想うと、控訴という判断に強い憤りを感じます。

青木被告に対する死刑判決は、極めて当然の結果です。

控訴審でもこの判決が支持され、改めて死刑が言い渡されることを強く望みます。

そして、その判決が一日も早く確定することを切に願っています

事件は2023年5月に発生。中野市で住民の女性2人と警察官の男性2人がナイフや猟銃で相次いで殺害されました。

現場近くに住む青木政憲被告(34)が殺人の罪などに問われていました。

10月14日、長野地方裁判所で開かれた裁判員裁判の判決で青木被告に言い渡されたのは求刑通りの「死刑」。

「被告は善悪の判断が著しく困難な心神耗弱の状態だった」とする弁護側の主張を退け、「被告に妄想症の症状はあったが善悪を判断できる完全な責任能力があった」と認めました。

弁護人によりますと、判決後の接見で青木被告は控訴はしたくないという意向を示していました。

しかし、最終的に「被告も弁護団の思いに賛同」、10月27日午後、長野地方裁判所で控訴の手続きを取ったということです。 控訴の理由について弁護人は、「死刑判決に不服があり、被告に心神耗弱があったため」としています。

長野放送
長野放送

長野の最新ニュース、身近な話題、災害や事故の速報などを発信します。