海上保安庁清水海上保安部の潜水士らが、港に入った大型貨物船を調べる様子を捉えた写真。
船底から引き揚げられたバッグの中に隠されていたのは、大量の違法薬物でした。

押収されたブロック状のコカイン。
約20kgで末端価格は約5億円。

2025年7月、海外から来た貨物船の経由地などから判断して立ち入り調査をしたところ、潜水士が船底からコカインが入ったこのボストンバッグを発見したということです。

大量のコカインが入ったバッグは、どのようにして隠されていたのでしょうか。

コカインが隠されていたのは、水深約12メートルの船底に設けられた海水の取り入れ口。
海に潜らなければ隠せない場所です。

これは、船の乗組員に気づかれないまま船底に隠した薬物を密輸する“パラサイト型”と呼ばれる手口。

パラサイト=寄生です。

出港前に密輸グループのメンバーが海に潜って船底に薬物を隠し、目的の港に貨物船が到着後、再び海に潜り薬物を回収するというものです。

この手口による密輸の摘発は全国で2例目です。

違法薬物の密輸事件は相次いで発生しています。

ふらふらと歩く人々。
その姿はまるでホラー映画に登場するゾンビのようです。

これは中国で公開された映像で、人々の異様な行動はエトミデートという成分が含まれた危険ドラッグの影響によるもの。

エトミデートという成分は海外で麻酔薬や鎮静剤などとして使われている一方、日本では未承認です。

そのエトミデートの粉末約100グラムをインドから密輸しようとした疑いで、9月までに中国籍の男3人が逮捕されました。

財務省によりますと、全国の税関における2025年1月から6月までの違法薬物の摘発件数は531件。
押収量は2073kg。

押収量が上半期だけで2トンを超えるのは初めてで、状況は極めて深刻といえます。

こうした中で27日は、アメリカから覚醒剤約30kgを密輸しようとしたイギリス国籍の61歳の男が起訴されました。

日本に日々迫る海外からの違法薬物。
専門家は今後より深刻化する恐れがあると指摘します。

法科学研究センター・雨宮正欣所長:
密輸の形態というのは、密輸する方がいろんな悪知恵を働かして、巧妙化していく傾向にありますから、どんどん増えていく可能性。これは否定できないと思います。

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