鉄板の上で焼かれているのは北海道を代表する郷土料理、ジンギスカンです。

今、羊肉の輸入量増加などを追い風にブームが再来している現場を取材しました。

正午前から行列ができていたのは、素材にこだわったジンギスカンを扱う「大衆ジンギスカン酒場ラムちゃん」です。

看板メニューは、秘伝の熟成方法でうまみ成分を引き出した「塩〆熟成ジンギスカン」。
さらに、薄切りでやわらかい「飲めるジンギスカン」など、さまざまなメニューが人気を博しています。

お客さんも舌鼓を打ちます。

客:
ラム肉とかバカはやりして、1回聞かなくなってまた来てる。

2000年代初頭、BSE問題で牛肉の代わりに注目を浴びた羊肉。
今、再びジンギスカンブームが訪れていました。

羊肉の輸入量はここ10年間、徐々に上がり続け、ジンギスカンを扱う店も増加傾向です。

たんぱく質も豊富で、牛や豚に比べてカロリーが低いことも魅力。
さらに、その人気を後押しするのがジンギスカンの特徴ともいえるあの悩みが解消されたことでした。

大衆ジンギスカン酒場 事業統括責任者・河島義矩さん:
臭みがあるという言い方がされている。輸送技術・冷蔵技術が発達して、すごく鮮度の良い質の物が入ってきている。

冷凍技術の向上などで課題だったにおいを克服。
ジンギスカンは臭いという認識もある中、お昼から堪能できるごちそうとなっていました。

30代:
もう最高ですね。(Q. 昼から飲み放題)非日常を味わえる。ありがたい場所だなと思う。

こちらの店は2030年までに現在の15店舗から50店舗へと拡大を目指しています。

さらに別のジンギスカンを扱う店でも10月、台湾に海外初出店するなど2025年だけで5店舗を出店。
今後も拡大予定だとしています。

週末には都内で3万人以上の来場が見込まれる“羊フェスタ”も開催される中、人気のあまり、ある懸念が…。

羊囓協会・菊池一弘代表:
中国ですとか中東 羊をよく食べる国が、今羊の輸入量が爆発的に増えてます。日本が羊肉の輸入で買い負けるということが発生しつつありますので、海外での需要がどんどん増えてくると原料不足というのもなきにしもあらず。

世界中で羊肉の争奪戦となる日は来るのか。
取材した店の担当者は「国内でそういったこと(羊肉争奪戦)はほぼないですね。他の会社さまも一緒になって、流通量を増やすために買い付けができるか、日本という大きいマーケットで見たら、命題。テーマ」と話します。

再来を見せるジンギスカンブーム。
市場拡大が期待される中、羊肉の価格が注視されています。