防衛技術博物館の設置を実現する議員連盟(会長:中谷元 前防衛相)で会長代行を務める石破茂 前首相は10月26日、NPO法人防衛技術博物館を創る会が主催した展示イベントを視察すると共に特別講演を行い、改めて自衛官による国会答弁は必要との立場を強調しました。
石破茂 前首相は防衛技術博物館の設置を実現する議員連盟で会長代行をしていて、10月26日は御殿場市を訪れ、NPO法人防衛技術博物館を創る会が主催したイベントで、同議連で事務局長を務める城内実 成長戦略相などと95式軽戦車や戦後に95式軽戦車を改造し土木現場や除雪作業に使用したブルドーザーなどを視察しました。
続いて、「安全保障と防衛技術」というテーマで講演すると、「自衛隊法を知らなくて、防衛省設置法を知らなくて、防衛の仕事が務まると私は思っていない。90式戦車と10式戦車の違いがわからなくて、防衛の仕事が務まると私は思っていない。日米安全保障条約のみならず、国連軍地位協定を知らなければどうにもならない」との見解を述べ、「『そんなこと起こるはずない』と思うかもしれないが、台湾有事と朝鮮半島有事が起こった時に在日米軍と朝鮮国連軍と一緒に行動すると一体なにが起こるかということはギリギリ考えておかないと対応はできない。その時に慌てて六法全書を読んでいるうちに、大変なことが起こるということを我々はよく自覚しなければいけない」と指摘しました。
また、以前から自衛官による国会答弁は必要との立場を取っている石破前首相は、26日の講演でも「どの国でも軍人が答弁する。日本ではしない。これは本当に良いのか?私は良いと思っていない。私はオタクであり、マニアだが、命を懸けて戦車に乗ったこともない。命を懸けて戦闘機に乗ったこともない。命を懸けて護衛艦に乗ったこともない。命を懸けてそれに乗っている人たちが、実際にその立場で『この法律はどうなんだ』『この車両の性能はどうなんだ』ということを言ってもらわなくて、なんで文民統制が成り立つのか?」と改めて主張しています。
その上で、「政治家はウケることばかりやると国は滅びる。政治家はウケないことを言わないでどうするんだ」として「自由民主党というのは、その時だけ良ければ良いとか、自分たちさえ良ければ良いとか、そのような政党であってほしくない。きちんと勇気と真心を持って真実を語るものであってほしい」と述べました。