任期満了に伴う宮城県知事選の最終日となった10月25日、仙台市内で新人・和田政宗氏の応援演説に立った参政党代表の神谷宗幣氏は、「愛と勇気だけが友達」と熱弁を振るった。
和田氏と参政党が掲げる“減税と反グローバリズム”を貫く姿勢を強調し、「アンパンマンのような知事になってほしい」と訴えた。演説会場は拍手と笑いに包まれたが、背後には国政から地方へと波及する政治変化のうねりが見え隠れした。

「残り10時間のラストスパート」熱気に包まれた最終日

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25日午後、和田政宗氏の街頭演説には、参政党の神谷宗幣代表が応援に駆けつけた。
神谷氏は開口一番、「100メートル走は追い上げる方が勝つ。民意の風は和田政宗に吹いている」と声を張り上げ、その時点で残り10時間となった選挙戦の終盤を「宮城のターニングポイント」と位置づけた。

「泣いても笑ってもあと10時間。勝てば歓喜の万歳、負ければ悔し涙。その瀬戸際だ」と聴衆に呼びかけ、写真や動画の拡散を促した。「我々は著作権フリーです。どんどん広めてください」と語り、SNS世代に響く言葉で支持を訴えた。

「グローバリズムからの脱却」減税と“国民中心”を掲げる

神谷氏は、現職の村井県政20年を「グローバリズムの延長線上にある政治」と批判。
「今の日本は金儲けを最優先する“株主中心の資本主義”に飲み込まれている。豊かになっているのはごく一部の企業と富裕層だけだ」と主張し、「競争一辺倒の新自由主義から転換しなければならない」と強調した。

また、税や財政のあり方にも踏み込み、「国債は返済する必要はない。国民の負担を減らすために減税すべきだ」と述べ、和田氏と参政党を「減税コンビ」と呼んで共闘をアピールした。
「締めつければ子供は減る。減税で家計を楽にして経済を回す。これが私たちの政策だ」と語り、物価高と少子化に苦しむ県民の生活に寄り添う姿勢を見せた。

「誘惑に負けるな」“アンパンマン知事”

演説の後半、神谷氏は和田氏にこう呼びかけた。
「当選した後が本当の勝負。魑魅魍魎(ちみもうりょう)がやってくる。“こっちの水は甘いぞ”という誘惑に負けてはいけない」と警鐘を鳴らした上で、「アンパンマンのような知事になってほしい」と笑いを交えて語った。

「自分のほっぺをちぎって人を助けるように、困っている人に手を差し伸べるリーダーであってほしい。愛と勇気だけが友達…グローバリズムと友達になる必要はない」と神谷氏。
この比喩には、政治への不信と疲弊が広がる中で、“愛と勇気”という原点への回帰を求めるメッセージが込められていた。

「愛と勇気の県政を」宮城から「逆襲」始まるか

演説の締めくくりで神谷氏は、参政党が掲げる「反グローバリズム」を「国民の逆襲」と表現した。
「金の力に支配される政治から、愛と勇気に満ちた政治へ。和田政宗はその先頭に立つ」と力を込め、最後は観衆とともに恒例の「わだまさむね構文」で締めた。

「いいね!」「やるね!」「和田政宗!」

選挙戦最終日、熱気に包まれた仙台の街頭では、「アンパンマン知事」への期待と、地方から政治を変えようとする声が交錯していた。
宮城県民の一票が、どのような未来を選ぶのか…。その答えは、まだ開票の向こう側にある。

(26日午後9時時点、接戦のため当選確実の候補者はおらず、大勢の判明は深夜にもつれこむ見込みだ)

仙台放送
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