任期満了に伴う宮城県知事選挙(10月26日投開票)は最終日を迎えた。無所属新人の和田政宗氏は25日、仙台市内で街頭演説を行い、「完全に横一線の戦い。県民の手に県政を取り戻す」と力強く訴えた。

出産・育児の完全無償化を「一丁目一番地」に

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和田氏は冒頭、「出産・育児費用の完全無償化」を最優先の政策として改めて強調した。
「宮城県の合計特殊出生率は全国46位、東京への人口流出率は2年連続で全国最悪。20年間の県政で少子化が進んだ。県民の暮らしを立て直すためにも、思い切った支援が必要だ」と述べた。

財源については「県の1兆円規模の予算を精査すれば可能だ。経済の専門家や県庁OBと試算を重ねてる」と主張。「批判するなら、上回る提案を出してほしい。できない理由を並べるだけでは何も変わらない」と現県政の姿勢を批判した。

「できない政治」から「やれる政治」へ

「政治にはできることとできないことがある」という姿勢も強調した。
「私は国政で12年歩んできた。政治には“今すぐできること”と“時間をかければできること”の2つしかない。『できない』から入る政治を変えたい」と訴え、集まった支持者から拍手が起こった。

和田氏は、人口減少が進む七ヶ宿町での光景にも触れ、「日中にすれ違う人が数人しかいない町に、子供の笑い声を取り戻したい。赤ちゃんの泣き声が聞こえる宮城にしたい」と述べ、地域再生への思いを語った。

増税から減税へ「県民の家計に寄り添う」

演説では「増税をやめ、減税に転換する」との訴えにも力を込めた。
「20年間で4つの増税が行われた。物価高で県民が一円単位でやりくりしている中で、なぜ増税を続けるのか」と疑問を呈し、具体策として「宮城環境税(年1200円)の廃止」や「個人県民税の一律5%減税、子育て世帯は最大100%減税」を掲げた。

「減税は単なる優遇ではなく、経済を回すための起点だ。家計に余裕が生まれれば消費が活発化し、税収も増える」と、経済循環による財政改善への展望を示した。

県民とつくる県政へ

和田氏は「県庁にこもる県政をやめ、現場に出る知事になる」と宣言。
「現場を知らない政治は、県民の生活と乖離する。私は“普通の感覚”を持つ父でありたい。祭りで子供たちにかき氷を作るような、生活者の目線を忘れない県政にする」と語った。

また、宿泊税の導入にも反対の立場を示し、「家族4人で1200円。物価高の中でさらに負担を増やすのはおかしい。増税ではなく、観光予算の再配分で観光政策を進めるべきだ」と主張した。

「県民の声を県政に」提案型の政治を目指す

最後に、和田氏は「県民が自由に意見を言える“目安箱”を設けたい」と語った。
「居酒屋でも食卓でも、県政の話ができる雰囲気を取り戻したい。何を言っても無駄だという諦めを変える。新しい力で発展の4年をつくる」と支持を呼びかけた。

締めくくりには「県民の手に県政を取り戻そう。ともに発展する幸せの宮城、平和の宮城をつくろう」と述べ、拍手の中で選挙戦最終日の訴えを終えた。

編集注
・発言内容は演説の主旨や文意を損なわない範囲で整文しています。
・選挙戦最終日の発言を中心に構成しました。

仙台放送
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