国連は24日、1945年に創設してから80年を迎えました。

国連は第2次世界大戦が終結した1945年に創設され、現在の加盟国の数は193カ国に及んでいます。

本来は国際平和と安全を維持する役割が期待されていますが、近年ではロシアによるウクライナ侵攻など、各地で紛争が続く中、その役割が果たせていないのが現状です。

特に安全保障理事会ではアメリカやロシアなど5つの常任理事国が持つ拒否権の発動で、しばしば機能不全に陥っていると指摘されています。

グテーレス事務総長は24日安保理の会合で「大国間の戦争による混乱がない80年間を成し遂げた」とした上で、「安保理は極めて重要で、『善』のための強力な力だが、同時にその正当性はもろい」と指摘しました。

また「世界秩序と安全の維持のためには、安保理改革は不可欠だ」と改めて述べ、常任理事国と非常任理事国の拡大が必要だと強調しました。

会合の冒頭、今月の議長国ロシアが議長声明を読み上げましたが、安保理改革には言及しておらず、多国間協調を重視する姿勢を再確認するにとどまっています。

ロシアはまた、演説でアメリカなど西側諸国を念頭に「一部の諸国は世界の支配者や警察、裁判官役になって、自らが定めたルールに基づく一極支配の世界秩序を押し付けようとしている」と非難しました。

一方、アメリカは国連批判を展開し、「現在の国連はもはや創設時の使命に導かれておらず、戦争に対処する能力を失っている。過剰な支出と説明責任の欠如により肥大化した官僚組織になった」と述べました。

国連は財政難にも直面しています。

各国が拠出する分担金は多い順にアメリカ(22%=8億2690万ドル)、中国(20%=6億8570ドル)、日本(6.9%=2億3720ドル)ですが、2割以上を拠出するアメリカのトランプ大統領が支払いをやめたほか、他にも滞納している加盟国があり、グテーレス事務総長は支払いを呼びかけるとともに、リストラを含む経費削減に取り組んでいるとしています。

フジテレビ
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国際取材部
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