福岡市の再開発事業「天神ビッグバン」の象徴、「ワン・フクオカ・ビルディング」(通称「ワンビル」)が24日で開業から半年を迎えました。
街や人の流れにどのような変化をもたらしたのか取材しました。
開業半年を目前にした21日、ワンビルを訪ねると…。
◆記者リポート
「正午すぎです。ビルの中は非常ににぎやかなんですが、特にこちら地下2階では行列ができています」
みなさんのお目当ては、この日オープンした「萬田うどん」です。
◆来店客
「味はしっかりしているけど、くどくなくて優しい味がする。子供もガンガン食べられそう」
◆来店客
「おだしもおいしいし、うどんもおいしい。コシがあって」
初日から大盛況でした。
◆萬田うどん オーナー 野田将史さん
「うちの店で作っているメニューをいろんな方に食べていただきたいので、ワンビルという発信力に乗ってより多くの人に届けられると期待している」
オーナーも期待するワンビルの「発信力」。
オープンしたころは連日多くの人が詰めかけていましたが、半年たって変化はあるのでしょうか。
長い列ができていた「天神福食堂」は…。
◆記者リポート
「お昼すぎの福食堂です。開業から半年たった現在も多くの人が利用しています」
天神で働く人たちがランチに困る問題に一役買うと期待されたこちらの食堂は、今は並ばずに入れるようになりました。
◆ワンビル内に勤務している来店客
「週に1回くらい来ています。食事の提供が速くて時間がない時とか助かっています」
◆ワンビル内に勤務している来店客
「今は(混雑は)落ち着いていて、昼休み中に余裕を持って食事ができています」
◆来店客
「天神にきょう用事があって、一番ワンビルが待ち合わせしやすかった。けっこう小鉢とかが付いて1000円以内でお得だなと」
テーブルに貼られているQRコードを読み取り自分の席から注文し、出来上がるとモニターに番号が表示され、受け取りに行く仕組みが浸透し、今も1日に500食ほど出るものの5分ほどで提供できるようになっていました。
◆西鉄 ワンビル部 徳久愛子 課長
「今は比較的スムーズに利用いただけるようになっています。(天神で働く)ワーカーの方が増えて(モバイルオーダーに)慣れているお客様も多いので、随分浸透してきたなと思っています」
こちらも開業当初は大混雑していた「クリスピー・クリーム・ドーナツ」。
◆クリスピー・クリーム・ドーナツ・ジャパン 下田咲さん
「期待の2倍以上のお客様にご来店いただいております」
相変わらずの人気で看板商品の「オリジナル・グレーズド」は半年で約60万個も売れたそうです。
ワンビルの担当者は「ここまでほぼ想定通りだ」と手応えを感じる一方で、課題もあると話します。
◆西鉄 ワンビル部 黄大圭 副室長
「お客様の定着に時間がかかる店舗もあるので、テナント側と施設側で協力しながらより良い施設づくりを進めたい」
専門家はこの半年で天神に新しい人の流れができたと評価します。
◆九州大学大学院 黒瀬武史 教授
「天神の街は地下と地上の両方に人の流れの中心があるんですが、。その2つをつなぐような縦の動線を整備してもらっているので、街の回遊性という意味で評価して良いのかなと」
県民の「日常の場所」として定着しつつあるワンビルは、これからも天神に多くの人を集めていくことになりそうです。