ハンバーグなどに欠かせないタマネギの価格が例年の2倍以上に高騰し、洋食店では仕入れに苦労していた。さらに猛暑の影響で根が栄養を吸収できず、小玉化が進行。この傾向は来春まで続く見通しだ。

老舗洋食店ではコスト増…作業時間も拡大

アツアツの鉄板に乗った肉汁溢れるハンバーグに、昔懐かしいトマトソースのナポリタン。そんな洋食にも欠かせないタマネギの価格が高騰、さらに小型化する異変が訪れていた。

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イット!が訪れたのは東京・墨田区にある創業46年の老舗洋食店「モンブラン吾妻橋店」だ。

取材班:
多くのお客さんで賑わっています。

多くのお客さんが注文していたのは、国産牛を100%使用した鉄板焼きハンバーグ。
そんなご馳走に欠かせないのがタマネギだ。

ハンバーグに甘みや香ばしさを加える重要な役割を持つタマネギを、大量にみじん切りにし、鍋でじっくりと炒めていく。

モンブラン吾妻橋店・木曽正章料理長:
朝イチで40㎏、お昼にまた40㎏。(多い時で)5ケースくらい(約100㎏)使います。

炒めたタマネギをたっぷり混ぜ込みふっくらと焼き上げると、肉汁たっぷりの熱々ハンバーグが完成した。

タマネギの甘みも加わった伝統の一品を。お客の8割が注文するという。

客:
美味しいです。柔らかくて私にはちょうどいい。

客:
しょっちゅう来てます。(タマネギは)欠かせないですね。お肉だけではなく、タマネギが入っているとバランスが全然違います。

しかし、そのタマネギに異変が起きている。

取材班:
仕入れ値は?
モンブラン吾妻橋店・木曽正章料理長:
(1箱)4000円弱だったのが今は5500円。それが5ケースになると、1日でも結構な金額になる。

タマネギの卸売価格は、8月22日から10月21日の2カ月でぐんぐん上昇し、例年の2倍以上となっている。

そんなタマネギショックに拍車をかける事態が起きていた。

モンブラン吾妻橋店・木曽正章料理長:
大きく育たなかったみたいですよ。

来春頃まで小玉の傾向が続く見通し

例年よりもサイズが小さくなり、皮むきにも時間がかかっているという。

取材班:
タマネギの皮をむく時間は?
モンブラン 吾妻橋店・木曽正章料理長:
(普段は)15分くらいで済むが、小さいのだと20〜25分かかる。1日5ケースとかむくので(作業時間が)1時間変わってくる。

東京・立川市の野菜農園「小山農園」を訪ねると、タマネギは驚くほど小型化していた。

例年と同様のサイズに育ったタマネギと比べてみると、ピンポン球とほぼ同じ大きさだ。出荷用の袋に詰めると、本来なら約3個のところが約10個詰めなければならない状況になっている。

小山農園・小山三佐男さん:
小さいのばっかりなんですよ…ピンポン球くらい。猛暑でタマネギが根っこから栄養を吸収できなかったんですね。人間と一緒で熱中症っぽくなっちゃって、栄養不足になって大きさが肥大しない。ちっちゃいなぁ…。

日本一のタマネギ産地・北海道で農家を営む伊澤農園によると、産地が切り替わる来春頃まで小玉の傾向が続く見通しだという。
(「イット!」10月23日放送より)

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