不漁が続いていた北海道・函館市のスルメイカ漁は回復の兆しを見せていましたが、10月22日から当面の間、休漁となりました。
突然の決定にイカの街には激震が走っています。
「こんなことあっていいの。明日から給料出ないって言われてどうする」(イカ漁師)
近年不漁が続く函館のスルメイカ漁は資源保護のため水産庁が漁獲枠を設定しています。
ところが9月の水揚げが前年同時期の10倍となるなど、2025年は回復傾向に転じ、漁獲枠の4900トンを約1000トンもオーバー。
そのため22日から当面の間、小型イカ釣り漁船による北海道周辺での休漁が決まりました。
スルメイカ漁の休漁について22日午後、函館市の漁協が説明会を開きました。
「(きのう)5時に連絡きて『きょう休みます』ってそんな話あるか」
「(再開は)来年とか言ってられない。今すぐにでもなんとかしてほしい。『給料出ません』と同じだよ」
「毎年何年も細々と、取れなくなってきて。『取れてよかったね』っていうことがないような制度はおかしい」
「こんなことしてたら個人の漁師、日本から消滅する」
「たった今年1年でも(漁師を)辞める人出るかもしれないよ」
「大企業の水産会社か、船もってる会社が生き残れる制度。個人の漁師殺してる」(いずれもイカ漁師)
函館市の鮮魚店も突然の休漁に戸惑いを隠せません。
「イカも出荷しちゃだめだ、取っちゃだめだって初めて聞きました」
「本当に憤りを感じているのは漁師さん。本当に10年ぶりぐらいにやっと(豊漁)だからね、かわいそうだ」(いずれも紺地鮮魚 紺地慶一さん)
イカ漁師には21日、突然休漁することが告げられたといいます。
「突然『きょうから休んでください』と言われて、なんのことかチンプンカかんぷんでしょ」
「一方的に、一方的に、とにかく一方的に」
「死活問題だ」(イカ漁師)
漁獲枠は2025年度すでに3回拡大していて、これ以上枠を増やすことはできないことが決まっています。
函館のスルメイカ漁は今後、まったく見通しが立たない状況になりました。