10月17日、豊漁を祈願した新潟県村上市三面川のサケ漁。秋の風物詩でもあるこのサケ漁ですが、三面川でとれるサケの数は年々減少傾向にあります。こうした中21日、水中にかごを設置し、産卵のため遡上してきたサケをとる伝統のサケ漁が始まりました。
21日朝、村上市の三面川で始まったのは川の中に“落としかご”と呼ばれる罠を仕掛け、産卵のために遡上してきたサケをとる“一括採捕漁”です。
毎年この時期に行われ、秋の風物詩としても知られるサケ漁ですが、その漁獲量は年々減少。
2019年には3万匹近くとれていたサケは去年約5500匹にまで減っていて、背景には海水温の上昇があるとみられています。
こうした中、17日には漁業関係者が集まり、サケの豊漁を願う祈願祭も行われました。
【三面川鮭産漁業協同組合 佐藤克雄 組合長】
「10月1日よりサケ漁は国により解禁された。20日現在、1匹も姿が見えない」
3年前の8月には村上市などを襲った豪雨で稚魚を泳がせる水槽が土砂で埋まるなどの被害を受けた三面川のふ化・養殖場。
サケは放流から3年ほどで戻ってくると言われていて、今年このとき放流したサケが戻ってくるため、関係者も特別な思いでサケ漁の日を待っていました。
【三面川鮭産漁業協同組合 平田茂伸 副組合長】
「今年はやっぱり復興の魚。その魚たちが帰ってきてくれれば本当にうれしい」
そして、迎えた21日朝の漁でしたが…
【三面川鮭産漁業協同組合 平田茂伸 副組合長】
「今までになく最悪なスタート」
川の両端に設置した2つのかごのうち、1つ目のかごにはサケの姿は見られず。もう一つのかごも確認しますが、こちらにもサケは入っていませんでした。
この事態に関係者は落胆の声を上げる一方で、今後の豊漁に期待感を示します。
【三面川鮭産漁業協同組合 平田茂伸 副組合長】
「両方でゼロというのは初めて。(水揚げが)少し遅れているのかなと思うが、これからのシーズンに期待したい」
果たしてサケは戻ってくるのか…水揚げは12月上旬にピークを迎えます。