自民党の高市総裁が21日、新たな首相に選出されたことについて、野党内では受け止めに温度差が出ている。
国会では21日午後、石破内閣の総辞職を受けて、衆参両院本会議で首相指名選挙が行われ、自民党の高市総裁が第104代首相に選出された。
このあと、立憲民主党の野田代表と国民民主党の玉木代表がそれぞれ、報道各社の取材に応じた。
野田代表は、「高市さんはより自民党の中でも保守層を意識し、これからの政権運営をすると思う」との見方を示し、「私はむしろ、中道を立ち位置として軸足を置いてやっていきたい」と強調した。
そのうえで、「その違いが国会の論戦を通じて、しっかりと国民の前に示すことができるように、厳しく対決をしていきたい」との考えを示した。
一方、玉木代表は、「日本で初の女性首相ということで歴史的でもあり、率直にうれしい。ぜひ頑張っていただきたい」と期待感を示した。
そして、「閉塞(へいそく)感を打破するために大なたを振るってもらいたい。われわれとの政策の重なりもあると思うので、協力していきたい」との考えを示した。
さらに、「ぜひ責任ある積極財政をどんどん進めてもらいたい。“高市カラー”をしっかり出していただきたい」と求めた。
首相指名選挙をめぐっては、野党統一候補の擁立を目指した立憲が連携を呼びかけたが、玉木氏は基本政策の一致が必要だとして応じなかった。
野田氏は、玉木氏について、「よく柔軟に対応する方なので何とも言えない」としたうえで、「今回、少なくともわれわれは現実的なことはできるという説明はしたつもりだ。われわれの政策が非現実的だとはまったく思っていない」との認識を示した。
そして、「あえて違いばかりを強調するとそういうことになるかもしれないが、逆に言うと、全力で支える覚悟を持って交渉をした」と強調した。
そのうえで、「永田町の格言で、『永田町の回転寿司は一度取り損なったら二度と回ってこない』という格言がある。そういうことにならないように気をつけてほしい」と忠告した。