香川に新たな食のブランドが登場です。瀬戸内海で大量発生し、磯焼け問題の原因となっているウニにあの特産品を食べさせておいしいグルメに変える。飲食店などが行う取り組みを取材しました。

“もったいない”を解消し育った「白いウニ」 その秘密はうどん店から出る「廃棄うどん」

香川県を中心に飲食店を展開する「遊食房屋」が10月20日に販売を開始したのは新しいブランドウニです。一般的なウニと比べて色が少し違うと思いませんか?

「・・・白っぽい?」

そうなんです。讃岐うどんをエサに育てられたため身が白くなったという、

その名も、「讃岐うどん雲丹(ウニ)」です。

2年の研究期間を経て開発されたもので、エサとして使うのは系列のうどん店から出る廃棄うどんです。ゆでてから30分経ったうどんはフードロスとなるため、もったいないを解消しようと始めたといいます。


共同開発に関わった多度津高校の卒業生「大変だったこそ、おいしく食べてもらえてうれしい」

開発には当時の多度津高校の生徒も共同で携わっています。

(共同開発した多度津高校の卒業生は)
「大変だったからこそ、商品化されておいしく食べてもらえてうれしい」

今、温暖化などにより瀬戸内海にはムラサキウニが大量発生、海藻などを食べつくし魚の住みかが減少する「磯焼け」の原因として問題となっています。

ウニに廃棄うどんを食べさせ安定的にエサを与えると・・・

これまでは駆除してもエサがない場所で育ったウニは身が少なく食用として使えませんでした。そこで、約2カ月間、廃棄うどんを食べさせ安定的にエサを与えることで、殻の中に3%程度しかなかった身が15%程度まで増加したといいます。

(河原大記者)
「それではいただいてみます。非常に濃厚かつクリーミーで、しっかりとした甘みも感じられます。おいしいです」

香川の名産を目指せ!「讃岐うどん雲丹」将来は全国販売を視野に

(多度津高校 大坂吉毅教諭)
「香川の名産というと、讃岐うどん、骨付き鶏。それと讃岐うどん雲丹と言ってもらえたら」

瀬戸内海の磯焼け問題とフードロスという2つの課題解決に向けた今回の取り組み。新たな香川の特産品となるのか注目です。

現在は遊食房屋の丸亀店で1日限定10食の販売ですが、2年後には東京の豊洲市場などに出荷し、全国販売を目指すということです。

岡山放送
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