JA全農たまごによると、17日時点のMサイズ卵の平均卸売価格は1kgあたり325円と、「エッグショック」と呼ばれた2023年春の水準に迫っている。洋菓子店では、ケーキ作りに欠かせない卵の価格高騰が経営を圧迫していた。背景には燃油・飼料価格の上昇や、鳥インフルエンザによる殺処分。猛暑が影響しているという。

卵値上げで洋菓子店が直面するコスト増

日々の食卓に欠かせない卵は過去に“物価の優等生”と呼ばれていたが、価格の高止まりが続いている。

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神奈川・川崎市のホテル内にある洋菓子店「川崎日航ホテル・1Fペストリーショップ」では、様々な種類のケーキを取りそろえている。

フワフワのスポンジケーキに、北海道産の生クリームとイチゴが2層にサンドされている。これにイチゴなどを盛り付けできあがったのは、パティシエこだわりのショートケーキだ。

そのケーキ作りに欠かせない食材といえば卵だ。

川崎日航ホテル パティシエ・小林由枝さん:
卵はスポンジに使ってます。1回仕込むのに2.3㎏の卵を割って、それで20台近くスポンジを作る。

生地の主役、卵の価格が上がっているという。

川崎日航ホテル マーケティング室・片山知子副室長:
2024年の春ごろから徐々に(卵の価格が)上がってきてまして、2024年の春から今比較しますと約5割は仕入れの金額が上がってます。

「JA全農たまご」によると、17日までのMサイズの平均卸売価格は1㎏当たり325円だ。これは「エッグショック」と呼ばれた2023年4月・5月の価格に迫る高値となっている。

ケーキはこれからの季節が1年で最も需要が高まるという。

鳥インフルと猛暑が直撃で生産量が落ち込む

値上げの原因について、卵の仕入れ先からはこう通知されたという。

川崎日航ホテル マーケティング室・片山知子副室長:
燃油の高騰と飼料の高騰が原因ということです。卵はもうほとんどの生ケーキや焼き菓子に使われているので、なくてはならない存在ですね。

さらに茨城県にある養鶏場・ホウトク農場を取材すると、2024年の鳥インフルエンザに加え異例の猛暑も大きく関係しているという。

ホウトク農場代表・豊村三弘さん:
昨シーズンの鳥インフルエンザで鳥が殺処分されてしまったというのが大きいです。
それに尾を引いて、この夏猛暑が長く続いたのでだいぶ生産量が落ちているという面もあると思います。
ニワトリは結構暑さには弱くて、人間と一緒で餌をなかなか食べられなくなってくるので、必然的に生産量も減ってしまう。

異例の猛暑などで生産が落ち込んでいるという卵をめぐる厳しい状況は、しばらく続きそうだ。
(「イット!」10月17日放送より)

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