17日、厚生労働省が発表したインフルエンザの感染者数。
8週連続の増加となり、本格的な流行シーズンに突入しています。

都内のクリニックに訪れていたのは、39度の高熱のほか、せきや吐き気などの症状を訴える10代の女性。
検査の結果は、インフルエンザA型の陽性でした。

熱は高くないものの、倦怠感やのどの痛みなどを訴える20代の女性も、検査の結果、インフルエンザA型でした。

この病院では今週に入り、様々な症状のインフルエンザの患者が急増しているといいます。

いとう王子神谷内科外科クリニック・伊藤博道院長:
週を追うごとに少しずつインフルエンザの患者さんが増えていて、9月は小学生中心だったんですけど、今では大人世代にも幅広く広がってきている。

厚労省によりますと、全国の1医療機関あたりのインフルエンザ患者数は、9月末から急激に増加。
2024年と比べると倍以上となっています。

なぜ例年以上に流行が早まったのでしょうか。

伊藤院長は、インバウンドのほか、長引いた猛暑による疲労の影響の可能性を指摘しています。

この病院では、2024年から接種が可能になった鼻スプレー型のインフルエンザワクチン「フルミスト」の接種が行われていました。

例年より早く猛威を振るう2025年のインフルエンザ。
この病院では、痛くないとされる鼻スプレー型のワクチンを希望する人が増えていて、供給が追い付かず、今後は予約受け付けを中断する可能性もあるといいます。

いとう王子神谷内科外科クリニック・伊藤博道院長:
出荷停止をしたということにはなっていないんですけど、すぐ打てる状況ではなくて、手に入りにくい状況になっている地域がでてる。早めに(ワクチン予約の)連絡をしていただくことが大事かなと思います。

注射と鼻スプレー型の違いについて詳しく見ていきます。

鼻スプレー型のワクチンがどうして人気なのか、伊藤院長に聞いたところ、「痛みがなく、何度も病院に行く必要がないため負担が少ない」といいます。

注射の効果は半年ほどですが、鼻スプレー型の効果は半年から1年。
回数は、注射は12歳以下は2回推奨されていましたが、鼻スプレー型は1回(両鼻に噴霧)で済むということです。

そして価格ですが、「いとう王子神谷内科外科クリニック」では、注射は1回3700円、鼻スプレー型は8700円ということです。
鼻スプレーの方が高く感じるかもしれませんが、注射は2回のため、計算するとあまり変わりません。
助成金があった場合は、注射は1700円、鼻スプレーは4700円ということで、価格的にもそれほど負担に差はないということです。

ここまで見ると鼻スプレー型がいいのかなと思ってしまいますが、対象年齢に注意が必要です。

注射は生後6カ月以上で大人も接種することができますが、鼻スプレー型は2歳から18歳までとなっています。

青井実キャスター:
中村さん、大人には効果が薄いということで承認されていないようですが。

SPキャスター・中村竜太郎氏:
できたら大人にもこれ使えたらいいなと思うんですけどね。

伊藤院長によりますと、根本的に注射は「重症化を予防する」、鼻スプレーは「発症を予防する」というメリットがあるのですが、鼻スプレー型は生ワクチンのため、注意が必要な場合があるといいます。

注射でも「卵アレルギー」の人は注意が必要ですが、鼻スプレー型は、「卵アレルギー」に加えて「ゼラチンアレルギー」、「ぜんそく」、「免疫力が低下している人(家族含め)」注意が必要だということなんです。

生ワクチンのため、本人だけではなく、周りの人も免疫が低下している場合は感染する可能性があるということです。